マンガで学ぶ不動産取引

『マンション購入 不動産屋での資金計画』

不動産売買仲介営業職出身者による解説
マンションレビュー運営事務局

『マンション購入 不動産屋での資金計画』


資金計画を一番最初にしっかりとやらなかったことで、いろいろと損をしているというお話です。


まず、どんな買い物でもそうですが、自分の財布の中身も解らずに買い物をする人はいないと思います。


１万円あったら食糧品を買ってお釣りが来るので後はへそくりに。


ちょっとした臨時収入５万円でコートでも買おう。


預貯金の中から無理の無い範囲、そうだな、100万円以内で買えるセカンドカーを選ぼう。


いろいろありますが、まず具体的な予算があって買い物をするという動きは、大小どちらの買い物でも一緒なはずです。


では究極の大きな買い物不動産購入の場面では如何でしょうか。不動産購入における財布の中身の確認は、もっている現金の中から購入するのであれば、預金残高の確認ですし、ローンを組むなら、ローンの借り入れがいくらまで可能で、月々の支払いはいくらまでが限界なのかを自分でしっかりと把握することです。


月々の支払い額から逆算すると、借り入れ希望金額が●●万円になり、銀行にその金額が借り入れ可能か聞くというのも一つです。


よく不動産会社さんに行くと、事前にアンケートのようなものを書かされますが、そこには当然資金計画の内容もあります。


勤め先や前年度の年収も住宅ローンの借り入れに大きく関わる部分なので、資金を固める意味では重要な項目です。　　


そこを何故か書きたがらない方が多いですが、書けるなら書いた方が絶対に良いです。普通の買い物と違うのは、財布の中身の確認を営業マンに一緒にしてもらう必要があるということです。契約直前でみんな動き出しているのに「実はお金が無いんです」では困ってしまいますしね。


営業マンは、頂いた情報が詳しければ詳しい程より具体的な提案がしやすいものです。（詳しく聞けるかどうかが良い営業マンかそうでないかの違いですが、話がややこしくなるのでとりあえずその話は置いておきます。）


資金計画を念頭にその他の希望条件を把握してからでないと、営業マンも物件を紹介することが出来ません。


今回の木俣さんのようにざっくりとイメージで予算を伝え、それにあった物件を紹介してもらうことも出来ますが、それでは全く意味が無いことがよくお解りになったかと思います。

事前に月々の支払い金額の限界を木俣さん自身が把握していなかったことにより、決断のタイミングがワンテンポ遅れ、買いたい物件を買えないという状況を作り出してしまったこと。


そもそも買えない物を見に行ったという労力の無駄。


予算より高い物件を見て目が肥えてしまったために、今後見る予算を下げた物件が粗悪な物に見えてしまう恐れが生じたこと。


家族を巻き込んで一晩かけて真剣に悩んだ時間も無駄です。
今回は極端な例を用いましたが、決してあり得ない話ではありません。


自分の資金計画の内情を会ったばかりの他人に教えるのは抵抗があるという気持ちは解らなくはないですが、教えて損する事など何一つありません。よりスムーズに物件探しから購入までを進めたいのであれば、まず一番最初に資金計画をがっちり固めて物件を探しましょう。


不動産探しは夢を膨らませることよりも、いかに現実と向き合うかが成功のポイントです。


この話は、担当営業マンが信頼できそう、自分のために親身になってくれそうな人だったらという前提で解説させて頂いております。良い営業マンとの出会いの話は機会があればまたさせて頂きたいと思います。


※ストーリーはフィクションです。ご了承ください。

※作画：佐々木慧