マンガで学ぶ不動産取引

『後悔しない物件探しのコツ』

不動産売買仲介営業職出身者による解説
マンションレビュー運営事務局

『後悔しない物件探しのコツ』


建野さんが心配するのも無理はありません。
高木さんは将来的に、どこかのマンションを買えるかもしれませんが、
先はとても長そうです。

効率よく、後悔しない物件探しを行うコツは、
条件出しの後に行う、条件整理と優先順位付けです。


高木さんが提示した希望条件ですが、どれもこれも大変表面的というか、もともとの動機を突き詰めていけば、自分の中で折り合いがつくものばかりでした。
実際に検証してみましょう。


高木さんが本当に求めている物は何かという話になります。
例えば、高木さんに以下のような背景があるとします。
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妻、子供、私の３人で、現在４人目がもうそろそろ。土日も仕事が入ることもしばしば、朝早く夜は遅い仕事。


今回購入を考えたのは、賃料を払うのがもったいないということと、今の住まいに少々不満があるため。

不満とは、まず駅が遠くて、早歩きで１６～１７分程度。バスもそんなに走っておらず、タクシーもそんなにつかまらない。また、子供が増えることで手狭になること、１階住まいで日当たりもあまり良くないところがあるので、出来れば今後安全面も考え高層階に住みたい。


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上記の背景を踏まえて希望条件を見てみると、やはり駅からの距離と日当たりは重要なポイントになります。


あとは家を空けていることが多い高木さんは、小さいお子さんや奥様のために安全面も考慮に入れたお部屋であることも重要かと思われます。


これらが一番の条件であり、優先順位が高い希望と言えると思います。
そこさえ押さえられているならば、残りの条件はマストでは無いと考えた方が、お住み替えがスムーズに進みます。


上記に加えて、何かしら他の希望条件にも合う部分があれば、１００点満点の物件では無くとも、８０～９０点くらいの物件は、案外見つかるものです。


それくらい希望条件に合致する物件があれば絶対買った方が良いと思われます。


自分の中で希望条件をグラフ化し、ウエイトの重い条件から消化していく探し方をしないと、１００物件見たとしても完璧な物件には出会えず、物件を決められなくなってしまいます。


では、不動産会社は何をしてくれるのかというと、その条件の順位付けの手伝いと、８０～９０点の物件にお客さんが出会えるように、物件を探してくれることです。


もしかしたら、建野さんは、そんな提案をしてくれたかもしれませんね。
希望条件に見合う物件を紹介してこないからといって、すぐに切り捨てるのではなく、よく話をして、不動産会社をうまく使いましょう。それでもこの営業マンはダメだと思ったら、そのときは他の不動産会社に行って話をしてみましょう。

あなたが理想の物件と出会えるように祈っております。



※ストーリーはフィクションです。ご了承ください。
※作画：佐々木慧