不動産の売却は、購入と同様で非常に複雑です。
多くの方にとって不動産の売却は一生に一度か二度しかない大きなイベントでもあります。
けれど実際にマンションを売却するとなると、勢いで行動してしまい、後悔してしまったという声が非常に多いです。
準備や情報収集を怠ってしまうと、マンションの希望売却価格と最終的な買取価格の乖離が大きいにも関わらず、妥協して売却する結果になってしまいます。
マンションの売却には決まった流れがあります。
流れを理解して正しく行動していくことで、トラブルや後悔を防ぐことが出来ます。
マンション売却の流れ
このページでは、マンション売却の流れを、大きく7段階に分けて詳しく説明していきます。
ぜひ流れを把握して、計画的にマンションを売却してみてネ!思わぬ出費や後悔を防ぐのに役立ててほしいナ。
準備と情報収集

まずはじめに、マンション売却では事前の準備と情報収集が最も重要になってきます。
具体的にどんな情報を調べればいいんでしょうか?
不動産会社に頼む前に、絶対に自分で調べておかなければならないのは次の4つです。
- マンション売却の期間と書類
- マンション売却の査定を頼む会社
- 所有している物件の資産価値
- 売却相場
マンションの売却を検討する際には、特別な事情があり、できるだけ早くできるだけ高く売りたいというニーズが出てきます。
しかし、自分で考えた売却希望価格と実際の売却の相場には乖離があります。
手続きがスタートしてしまうと、やむを得ず安値で物件を手放さなくてはならなくなるケースが多々あります。
「準備をしないで、焦って売却すると損をする」と覚えておいてください。
マンション売却の注意点と期間

ここではまず、マンションの売却に必要な書類と費用と期間を確認しておきましょう。
項目 | 手に入る場所 | 必要な時期 |
---|---|---|
身分証明書 | 市役所 | 媒介契約時 |
間取り図と測量図 | 市役所 | 媒介契約時 |
固定資産税納税通知書 | 市役所 | 引き渡し時 |
固定資産税評価証明書 | 市役所 | 引き渡し時 |
銀行口座書類・通帳 | 銀行 | 引き渡し時 |
実印・印鑑証明 | 市役所 | 契約時 |
登記済権利証 | 市役所 | 媒介契約時 |
ローン残高証明書 | 銀行 | 媒介契約時 |
ローン返済予定表 | 銀行 | 媒介契約時 |
必要書類は全て市役所と銀行で手に入ります。
特にローン残高証明書やローン返済予定表はこのあとのローンの完済手続きで必要になるので忘れないように用意しておいてください。
書類と費用を確認したら、売却にどれくらい時間がかかるか確認していきましょう。
【マンション売却にかかる期間】

売却活動が終わるまでに半年はかかると思って、住替えは計画的に行うのがオススメです。
なんでそんなにスケジュールや計画にこだわるのかしら?
不動産取引は高額な取引だから、物件の引渡し日を伸ばしてしまったりすると大きなトラブルになっちゃうヨ!
損害賠償!?
また、物件を売却した後に引越し先が決まっていなかったり、売った物件のローン残債が残っていて2件分の住宅ローンを支払う事になってしまったりするトラブルもあります。
金額が高額であること、また住み替えの場合は売却と購入を並行して進めていかなければならないため、少しのミスが大きなトラブルになります。
そのため、売却にかかる期間と必要書類は、不動産会社に相談する前に確認しておきましょう。


マンションの売却相場と資産価値

マンション売却には、「希望する売値で売れた!」という成功例もあれば、もちろん上手くいかなかった失敗例もあります。
例えば、マンションをすぐに売却したいという事情があると、すぐに買主を探す必要があります。
すぐに買ってくれる人を探すためには、物件の価格を下げざるを得ません。
そのため、急いで物件を売ろうという場合は、相場よりも価格が安くなって損をするという結果になってしまうことがあります。
ここで覚えてほしいのは、マンションの売却の場合、フローに関して大きく3つの価格が出てくることです。
- 売り出し価格 … 売り主が売却をスタートしたときの価格
- 査定価格 … 不動産会社に査定した金額
- 成約価格 … 買主との間で交渉が成立した金額
マンションを売却するとき、できるだけ高い価格で売りたいと思うのは当然ですが、必ずしも希望の価格で売却が成立するとは限りません。
必ずしも、希望売り出し価格=成約価格とはならない点に注意してください。
反対に、所有物件の資産価値を理解しないまま不動産会社に任しまい、焦って売却しようとした結果、相場より安い価格で売却契約が成立して損してしまう体験もたくさんあります。
不動産会社に査定を依頼する前に、必ず所有する物件の資産価値と売却相場をを確認して希望売り出し価格の目安を設定しましょう。
手軽なものだと不動産情報誌やHome'sやsumoのようなポータルサイトで、所有している物件と似たような物件が今いくらぐらいで売りに出されているかチェックできます。
もっと具体的に適正相場や所有している物件の適正価格を知りたい場合はマンションレビューの6つの無料コンテンツを使うと客観的に物件の資産価値を判断できます。
- 相場売買情報
- マンション騰落率
- マンション偏差値
- 口コミ
- 適正価格診断
- 将来価格予測
豊富なデータを基にした6つの無料コンテンツで、キミの物件の適正価格が判断できちゃうんダ!
後悔のない取引をするためにも、不動産会社に査定をお願いする前にまずは適性相場のチェックと資産価値の把握をおすすめします。


マンション売却に必要な不動産会社

所有している物件の資産価値と相場を調べた後は、売却が得意な不動産会社について調べましょう。
物件売却を相談するときは、必ず売却を得意とする不動産会社にお願いするようにしてください。
不動産会社の中にも、分譲業者・賃貸業者・専門系業者・売買業者と得意分野は様々です。
売却依頼が得意です!って言ってる会社も結構ありますけど、どうやって選んだらいいんでしょう?
では、良い会社を見つけるためのポイントを2つ紹介しましょう!
- 実績が多い
- 広告・宣伝やマーケティングに強い
売りたい物件があるエリアで成約数や実績が多い不動産会社は、これまでの実績から、多くの不動産購入予定者が集まってきます。
必然的に、それだけあなたの所有している物件も、早く希望価格で売れる可能性が高くなります。
また、売却活動を始めると、不動産購入検討者を集めるためにどれだけ広報活動できるかが必要不可欠になります。
広告がなければ、あなたの物件売りに出されたとしても、購入検討者の目にその情報が入ることは無いからです。
なので、広告・宣伝やマーケティングなど集客活動に力を入れている会社を頼ると、所有している物件がより高く売れる可能性が高くなります。
簡単にまとめると、実績があってたくさん人を集められる会社に頼ると有利ってことだネ!

マンション売却の査定

マンション売却の査定方法

不動産査定には2種類の方法があります。
- 机上査定(簡易査定)
現地を見ずに、専有面積や築年数などのデータや、過去の成約情報・エリア情報から簡易的に査定する方法 - 訪問査定
不動会社が現地を調査して査定する方法
とりあえず「机上査定」じゃだめなんですか?
そうですね。不動産を売る理由や、「いつまでに売りたい」という期間によって売却金額は変わってきますから。
さらに言えば、訪問査定は、「どれだけ営業マンが優秀で、どれだけ親身になって対応してくれるか」という不動産会社の見極めポイントにもなるのでおすすめです。
また、査定に関しては1社だけではなく、必ず複数の会社に依頼するようにしましょう。
査定金額=売却金額ではありません。あくまで予想金額です。客観的な判断をするためにも、複数の会社に査定依頼し、比較することを強くおすすめします。
複数社に査定依頼するのに一番簡単な方法は、一括査定サービスを利用することです。
- 売却されるまで、完全無料で依頼できる
- 複数社に一括で査定できて楽
マンションレビューにも、不動産の売却一括査定が無料でできる「タカウル」というサービスがあるので、気になる方は是非ご利用してみて下さい。




媒介契約

媒介契約とは

不動産会社が決まったら、次は媒介契約を行います。
媒介契約とは売却活動をスタートするために、買主と不動産会社の間で正式に結ばれる契約のことです。この媒介契約では、
- 売却活動の期間や方法
- 売り出し価格
- 仲介手数料
といった今後の売却活動に関わる重要事項を決めていきます。
また、契約形態に関しては、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
ようやく売却活動をスタートできるんですね。
ええ。では続いて契約形態に関して説明していきますね。
媒介契約の種類

では3種類の媒介契約を比較してみましょう
契約の種類 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
複数同時契約 | できない | できない | できる |
依頼者が見つけた買主と直接取引 | できない | できる | できる |
契約期間 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 | なし |
レインズ登録 | あり | あり | あり |
販売状況報告義務 | 7日に1回 | 14日に1回 | あり |
一般媒介契約は複数の不動産会社に売却をお願いできます。
対して、専属専任媒介契約や専任媒介契約は1社としか契約ができません。
専属専任媒介契約と専任媒介契約って、何が違うかイマイチよく分からないなあ…
一番大きな違いは「自己発見取引」ですね。つまり、不動産会社を通さずに買主と直接取引ができるかどうかという点です。
自己発見取引で売買契約が成立した場合は仲介手数料が発生しないんダ!
「専任媒介契約」の場合、不動産会社を通さずに、依頼主(=売主)が見つけた買主と直接取引することが可能です。
また、売主と買主が直接売買契約を結び取引した場合、不動産会社の仲介手数料は発生しません。
一方で、よりスピードを優先したい場合は「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」をすると不動産会社が優先的に買い手を探すために動いてくれます。
「一般媒介契約」は、先述の通り複数の不動産会社と契約することができます。
自己発見取引ができる上、契約期間に制限がないので、自分の希望に合った取引をじっくり行いたい人に向いています。
ただし、レインズへの登録義務がないので、売却活動で不利になってしまう可能性もあります。


マンションの売り出し価格決定・売却活動

売却活動の内容と売り出し価格を確認

媒介契約を結んだ時には、「買主をどうやって募集するか」など事前に集客方法について不動産会社と打ち合わせを行います。
不動産会社が行う集客方法については次のようなものがあります。
- チラシ
- ポータルサイト
- 来店
- レインズ
- 電話問い合わせ
特にレインズ(不動産流通標準情報システム)に登録されていない場合は、売却活動において圧倒的に不利になってしまうので、登録されていることを必ず確認して下さい。
そして、集客方法と同時に売り出し価格についても不動産会社と打ち合わせを行います。
売り主としては当然高く売りたいので、高い売り出し価格を設定したくなると思いますが、マンションが売れないほとんどのケースでは売り出し価格が高すぎることに要因があります。
所有している物件の資産価値がどれくらいなのか確認して、査定金額も考慮した上で売り出し価格を決めてください。
また、売り出し価格は売り出し後には値上げできないので慎重に決める必要があります。
不動産会社は、成約しやすいように「査定金額の上下5%程度の金額」での売出しをすすめることが多いです。
でも、本当にその売り出し価格でいいのかしら…。
マンションレビューでは、各物件の相場情報やマンション偏差値、過去の販売価格履歴などが無料で閲覧できます。
不動産会社に提案された金額と別に、自分で物件の資産価値を確認したいなら、このタイミングで是非チェックしてみて下さい。

物件の内覧

売却活動がうまくいき始めると、購入希望者から内覧希望が入ってきます。
物件の内覧は、当日に不動産会社が対応するため、引っ越し済みであれば売り主は特別な対応は必要ありません。
ただ、内覧は買主が物件を購入を決める重要なポイントになります。
そのため、物件に好印象を持たれるように綺麗にしておくことがとても大事です。
水回りの掃除や各部屋の整理整頓などは必ず済ませておきましょう。
売買契約

買付証明書と物件の価格交渉

買主が決まると、不動産会社が売り主の意向を買主側に伝えます。
ここで買主側から買付証明書が送られてきて、同時に価格交渉と条件交渉がスタートします。

買付証明書には買主の購入の希望額やその理由が書いてあり、売り出し価格と比べて交渉をしていきます。
媒介契約時に売却プランを不動産会社に伝えてあるため、交渉から売買契約の締結までの業務は全て不動産会社側が行います。
なお、買主から申し込みがあったタイミングで売却価格の1割が買主から支払われます。
マンション売買契約

交渉がまとまれば、マンションの売買契約に移ります。
買主側は、交渉成立後から売買契約の成立までの間に、住宅ローンの事前審査を行います。

注意点として、買主側で住宅ローンの審査が通らずに取引自体が破談になってしまうケースもあるンダ…。
それはマズイなあ…。
無理をして物件を購入しようとする方もいると思いますので、買主側の住宅ローンの事前審査が通っているかは確認しておきましょう。

マンションの引き渡し

物件引渡し日までに行っておくこと

売買契約が成立した後は、物件を買主に渡す準備をしましょう。
物件の引渡し日までに終わらせておかなければならないことは以下のとおりです。
- 名義変更手続き(司法書士に依頼)
- 管理費・修繕積立金、固定資産税の精算
- 引っ越しと公共料金の精算
- 仲介手数料と司法書士手数料の支払い
- 住宅ローンの残債の整理
- 名義変更手続き(司法書士に依頼)
住宅ローンの残債がある場合は、完済手続きに関しては個人情報の関係から、銀行や不動産会社ではなく売主自身で進める必要があります。
必ず手続きは終えているようにしましょう。
一般的なケースだと、銀行の住宅ローンの完済口座に買主に振り込んでもらって完済をします。
これを忘れるとどうなるんですか?
新居の物件も合わせて、2件分の住宅ローンを払い続けることになってしまいます。
売却代金が減ったように感じてしまうかもしれませんが、2件分のローンを払い続けることを避けるためにも、銀行に完済手続きの申請だけは必ずしておきましょう。
また、売却する名義変更手続きは司法書士にお願いしておく必要があります。

物件の引き渡し

準備が完了したら、いよいよ引き渡しです。
物件の引き渡し時に行われる手続きは次のとおりです。
- 残代金の受け取り
- 鍵の引き渡し
- 所有権移転登記
不動産会社の調整によって成立した日取りで、売買系契約時に受け取った手付金1割を除いた、残りの売却代金の受け取りを行います。
また、このタイミングで所有権移転登記を行って登記名義を売主から買主へ変えます。
最後に、買主に物件の鍵を渡して引き渡し終了です。
マンション売却の確定申告

マンション売却で確定申告が必要な税金

マンションが売れた時って、確定申告をするんですか?
そうですよ。
ただし、確定申告が必要になるのは物件を売却した金額が購入した金額より高い場合になります。
簡単な実例で確認してみヨ〜!
【確定申告のシミュレーション】
A.マンションの購入価格:4,000万円
B.マンションの売却価格:5,000万円
A.−B.=1,000万円
支払う税金
1,000万円✕20%=200万円
※簡略化のために所得税15%、住民税5%で計算しています。
上の例だと、1000円の売却利益が出ているので、200万円の税金を支払う必要があり、確定申告が必要になります。
売却したときに利益が発生しなかった場合は、確定申告をする必要はありません。
この他にも控除特例などがありますのでもっと詳しく知りたい場合はこの記事もチェックしてみてください。


確定申告の必要書類

最後にマンション売却の確定申告に必要な書類を確認しておきましょう。
必要書類は次の通りです。
- 購入時の売買契約書
- 売却時の売買契約書
- 確定申告書B様式
- 分離課税用の確定申告書
- 譲渡所得の内訳書
- 仲介手数料や印紙税の領収書
売買契約書に関しては印紙税分の費用がかかりますが、その他の書類は税務署で無料でダウンロードできます。
仲介手数料や印紙税の領収書も不動産会社さんからもらえるので、無くさないように保管しておきましょう。
また、売却するとすぐに税金が発生すると勘違いしてしまう方もいると思いますが、確定申告の時期は売却した年の翌年の3月になります。
いちばん大事なのは適正価格と適正相場を知ること

売却のスケジュールを理解することで、損害賠償のような大きなトラブルを防いだり、高く売れる物件を安値で手放すリスクも回避できます。
不動産会社に査定をお願いしてから、売却が完了するまで半年ほどかかりますが、一番重要なのは査定が始まる前の準備と情報収集です。
マンション価格には、
- 売り出し価格
- 査定価格
- 成約価格
がありますが、自分の希望している物件の売り出し価格とその他の金額が乖離してしまうのが、トラブルや後悔の原因になります。
不動産会社から自分の想定より高い査定金額が提示されたり、
買主から売却交渉の際に希望の金額より低い金額を提示されたときも、
冷静な判断ができるように事前に適正相場と適正価格の情報を収集しておきましょう。

コンテンツを見る方法は簡単です。 こちらのページの登録フォームから必要事項を記入していただくと、

【売却をご検討中の方へ】
マンションレビューでは、高値売却に特化した不動産売却サービスをプロデュースしています。
「仲介手数料が安くて、売却に強い会社」が見つかり、手取りが最大化します。
まずは下記のバナーから詳細をご確認ください!
