マンションの売却に関わる諸費用としては、主に「不動産会社への仲介手数料」と「税金等」がかかります。
仲介手数料と税金等を合わせると、大体売却額の5〜7%になります。
【10年保有したマンションを5000万円で売却した場合】
費用・手数料の種類 | 目安 |
---|---|
仲介手数料 | 売却価格の3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 1万円 |
登録免許税 | 約2000円 |
司法書士への依頼手数料 | 1〜1.5万円 |
譲渡所得税(売却益がある場合のみ) | 売却益への課税率20.315% |
その他 | 引越し費用、ハウスクリーニング費用など |
※住宅ローン完済前の場合
この記事では、マンション売却時にかかる手数料・費用全般を、それぞれ詳しく解説していきます。
この記事で学べること
- マンション売却にかかる仲介手数料の相場とは?
- マンション売却に必要な費用の種類
- 手数料・費用の抑え方
- マンション売却をするときに大事なポイント
マンション売却にかかる仲介手数料はどれくらい?
①マンション売却にかかる仲介手数料とは?
仲介手数料とは、不動産売買の際、買主を見つけて、更に売主と買主の間に入って引き渡しまでをサポートする不動産仲介会社に支払う手数料のことです。
マンションの売買取り引きでは、不動産会社の仲介によって成立することが一般的です。
②仲介手数料の相場は?
仲介手数料の相場は、厳密に言うとありません。
ただし、仲介手数料の金額は宅地建物取引業法で上限が決まっており、この上限金額が相場と言われることが多いです。上限金額以上の仲介手数料を取られることはありません。
法定上限の速算式は「売却価格の3%+6万円+消費税」が用いられます。
これは売却価格が400万円を超える場合の上限金額です。
不動産の売却価格(税抜) | 仲介手数料の上限金額(税抜) |
---|---|
200万円以下の物件の場合 | 売却価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円超え400万円以下の物件の場合 | 売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
400万円を超える物件の場合 | 売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
【仲介手数料の上限金額計算シミュレーション】
- 売却価格が3,000万円で、400万円を超えているので、適用される計算式は「売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税」
- 3,000万円×3%+6万円=96万円
- 消費税を含めると、96万×1.1=105.6万円
計算式とは別に、売却価格別の仲介手数料が確認できる早見表も存在します。
不動産の売却価格(税抜) | 仲介手数料の上限(消費税10%を含む) |
---|---|
400万円以下の物件 | 19万8,000円 |
500万円の物件 | 23万1,000円 |
1,000万円の物件 | 36万9,000円 |
1,500万円の物件 | 56万1,000円 |
2,000万円の物件 | 72万6,000円 |
2,500万円の物件 | 89万1,000円 |
3,000万円の物件 | 105万6,000円 |
3,500万円の物件 | 122万1,000円 |
4,000万円の物件 | 138万6,000円 |
4,500万円の物件 | 155万1,000円 |
5,000万円の物件 | 171万6,000円 |
5,500万円の物件 | 188万1,000円 |
6,000万円の物件 | 204万6,000円 |
6,500万円の物件 | 221万1,000円 |
7,000万円の物件 | 237万6,000円 |
7,500万円の物件 | 254万1,000円 |
8,000万円の物件 | 270万6,000円 |
8,500万円の物件 | 287万1,000円 |
9,000万円の物件 | 303万6,000円 |
9,500万円の物件 | 320万1,000円 |
1億円の物件 | 336万6,000円 |
尚、仲介手数料の下限額については法律で設定されていません。
仲介手数料を無料とする不動産会社もあります。
ただし、2017年12月の法改正で、2018年1月1日より、不動産の売買価格が400万円以下の場合に限り、不動産会社に支払う仲介手数料は「最大18万円+消費税」に変更されました。
これは売主のみに適用される法律です。
媒介契約時の説明に同意しなければ、上限の「18万円+消費税」を支払う必要はありません。よく覚えておきましょう。
- 仲介手数料の相場は厳密にはない。あるのは法律で定められた上限金額だけ。
- 上限金額は、「売却価格の3%+6万円+消費税」で計算する。
- 仲介手数料早見表を使って確認するのも便利
③仲介手数料の支払いタイミング
仲介手数料は、「売買契約時」と「引き渡し時」にそれぞれ半額ずつ支払うのが一般的です。
仲介手数料は、不動産の売買が成立してはじめて支払いの義務が発生します。
不動産会社によっては引き渡し時の一括支払いを行っている場合もありますが、2回に分けて支払いするケースがほとんどです。
もし、不動産会社から売買契約締結前に支払いを要求されるようなことがあれば、その会社は選ぶべきではありません。
売り主の場合は、媒介契約書に支払い時期が明記されているはずなのでしっかりと確認しておきましょう。
また、仲介手数料の支払い方法は原則現金となっています。
マンション売却にかかる費用と税金
マンションを売却したときにかかる費用・税金は、「マンション売却時に必ずかかる税金」と「売却時に利益が出たときにかかる税金」「マンション売却で場合によってはかかる費用」の3つに分けられます。
- 印紙税
- 登録免許税
- 所得税
- 住民税
- 復興特別所得税
- 引越し費用
- ハウスクリーニング費用
- ローン返済にかかる手数料
①印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書に貼る収入印紙にかかる税金です。
印紙税の金額は、不動産の売買契約金額、つまり契約書に書かれている金額によって異なります。
ただし、租税特別措置法により、2014年(平成26)4月1日から2024年(令和6)3月31日までの間に作成される不動産売買契約書には「軽減措置」が適用されます。
軽減措置は不動産譲渡にかかる契約書のうち、記載金額が10万円を超えるものが対象です。
また、契約書に記載された契約金額が1万円未満のものは非課税となります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円超50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
※不動産の譲渡契約書のうち、契約金額が10万円以下のもの(契約金額の記載のないものを含みます。)は、軽減措置の対象とならず、税率200円となります。
ただし、印紙を貼り忘れたり消印をしていなかったりすると、罰則の対象になってしまいます。
通常の印紙税に加え、さらに2倍の金額の「過怠税」を払うことになる可能性があるため注意が必要です。
印紙税は、契約書に印紙を貼り、さらに印鑑や署名で消印を行うことで納税したとみなされます。
ただし、印紙税を納付していない旨の申出をするなど一定の場合には、もともとの印紙税額の1.1倍の支払いで済みます。
また、物件購入時は、住宅ローンを利用する場合の「金銭消費貸借契約書」にも別途、印紙税がかかるので、こちらも覚えておきましょう。
- 印紙税の金額と軽減税率はこちらの通り
- 契約金額が1万円未満のものは非課税となる
- 印紙を貼り忘れたり消印をしていなかったりすると、罰則の対象になるので注意。
②登録免許税
「登録免許税」とは、不動産の名義変更時の登記の際に課税される税金のことです。
登録免許税も支払方法は印紙税と同じで、収入印紙を貼り付けた用紙を申請書と一括して綴って提出します。
通常の場合は抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、不動産1つにつき1,000円です。
ただし、マンションの場合は建物と土地は別々の不動産と見なされるので、敷地が一つ、建物が一つとしてカウントされるため登録免許税が合計2,000円以上かかります。
物件種別 | 登録免許税額 |
---|---|
土地 | 1000円(土地が1筆の場合) |
戸建て | 2000円(土地が1筆の場合) |
マンション | 2000円(土地が1筆の場合) |
他にも、登記上で土地が数個(数筆)に分かれている場合もあるので、その場合は登記されている土地の分だけ登録免許税がかかります。
加えて、抵当権の抹消は、担保を設定した金融機関が行う業務ではなく、登記上の手続きとなるため司法書士に依頼することになります。
そのため、司法書士への手数料も1〜1.5万円ほど発生します。
「抵当権抹消」の手続きでは、売主側に下記負担が発生する。
- 登録免許税→1物件(1筆)1,000円(土地と建物で別カウント)※1
- 司法書士への依頼手数料→1〜1.5万円
③譲渡所得税
「譲渡所得税」には以下の3つが含まれています。
- 所得税
- 住民税
- 復興特別所得税※2013年1月1日~2037年12月31日の期間課税される財源
いずれも、マンションを売却した利益に対して課税され、利益が発生していない場合には支払いの必要はありません。
所有期間が5年未満の土地・建物であれば「短期譲渡所得」、所有期間5年以上の土地・建物であれば「長期譲渡所得」に該当します。
分類 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年未満 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
※譲渡日の年の1月1日に所有期間が5年を超えているかどうかで判断。
※復興特別所得税は「所得税」に対して2.1%かかるため、所得税の計算時は、上記の「0.63%/0.315%」をかける計算が一般的。(所得税30%×2.1%=0.63%、所得税15%×2.1%=0.315%)
税金納付のタイミングは通常の個人の確定申告の時期、つまり売却した年の次の年の原則として2月16日から3月15日に、確定申告をした上で納税手続きを行うことになります。
- 「譲渡所得税」には、「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が含まれる。
- マンションを売却した際の利益に対して課税される。
- 所有期間が5年未満だと、39.63%課税される。(短期譲渡所得)
- 所有期間5年以上だと、20.315%課税される。(長期譲渡所得)
④引越し費用
引越し費用は時期と時間帯を工夫することで大幅に抑えることができます。
引越し費用は、通常期に同一都道府県を移動する場合、単身者で3~4万円、ファミリーで6~15万円ほどかかります。
引越しのピークは2~4月です。この時期は引っ越し費用も上がるので、入学や転勤などやむを得ない事情がなければ避けたほうがよいでしょう。
オススメは閑散期の5~7月、11~12月です。また、人気がない午後を選ぶことでさらに費用を抑えられます。
⑤ハウスクリーニング費用
マンションを売却する前に、物件を入居時の状態に戻したい場合は、ハウスクリーニング費用がかかります。
絶対に必要な費用ではありませんが、購入希望者に良い印象をもたせて購入の後押しとしたり、高額売却を狙いたいのであれば発生してくる費用です。
ハウスクリーニングの費用は、
- 物件面積
- 状態の程度
- 地域相場
- オプション
により変動します。
間取り/仕様 | 金額の相場 |
---|---|
1R/1K | 1万5000円~3万5000円 |
1DK/2K | 1万5000円~4万円 |
1LDK/2DK | 2万円~4万7000円 |
2LDK/3DK | 3万2000円~6万円 |
3LDK/4DK | 4万円~7万5000円 |
エアコン | 8000円~1万5000円 |
バスルーム | 1万1000円~1万8000円 |
キッチン | 1万円~2万円 |
トイレ | 6000円~1万円 |
※1
⑥ローン返済にかかる手数料
売却時に自宅マンションの住宅ローンが残っていた場合、口座に振り込まれた売買代金にて住宅ローンの残金を返済することになります。
ローンの繰り上げ返済手数料は、残っている住宅ローンの一部を繰り上げて返済する「一部繰り上げ返済」か全額を一括して返済する「全額繰り上げ返済」を選択するかで金額が変わってきます。
売却時には、買主に物件を引き渡す必要があるため、「全額繰り上げ返済」をする形となります。
一部繰り上げ返済 | 全額繰り上げ返済 |
---|---|
■ローン残高の一部を返済。 ・ローン期間を短縮 ・毎月の返済額を減らす |
■ローン残高全額を一度に返済。 ・ローンが完全に終了 ・今後の利息負担がなくなる。 |
■手数料 ・無料〜1万円程度 |
■手数料 ・無料〜1万円以上 |
■例)三井住友銀行※1(2023年6月30日現在) ・店頭:5,500円〜1万6,500円程度 ・インターネット:無料。 |
■例)三井住友銀行※1(2023年6月30日現在) ・店頭:11,000円〜22,000円程度 ・インターネット:5,500円。 |
■例)ソニー銀行※2(2023年6月30日現在) ・無料 |
■例)ソニー銀行※2(2023年6月30日現在) ・無料 |
一部の金融機関では、インターネット上での手続きの方が手数料が安い場合もあります。
また、ローン一括返済手数料は全てのローン契約で発生するわけではありません。
金融機関や契約条件によって異なるため、公式ウェブサイトや窓口で最新の情報を確認することをおすすめします。
マンション売却にかかる費用シミュレーション
マンション売却でかかるお金を全て確認したところで、実際の売却ケースを想定してシミュレーションをしてみましょう。
- マンション売却価格:7,000万円(居住用)
- 購入した2013年当時の価格:5,000万円
- 所在地:東京都荒川区
- 面積:70平米
- 構造:鉄筋コンクリート
- 購入日:2013年1月
- 引き渡し日:2023年7月1日
- 減価償却費※:440万円
※建物の価値は築年数に従って下がると税法上考える。そのため新築時から毎年一定の償却率で、法定耐用年数に達するまで差し引く。その10年間の合計金額。 - 購入時の諸費用:250万円
売却価格が7,000万円で、400万円を超えているので「売却価格の3%+6万円+消費税」が適用されます。
【仲介手数料の上限】
7,000万円×3%+6万円=216万
消費税を含めると、216万+21万6,000円=237万6,000円
「印紙税」は、契約金額が「5,000万円超1億円以下」なので、6万円かかり、軽減税率3万円を適用すると、3万円となります。
「登録免許税」は、マンションのため土地と建物それぞれに1,000円がかかるため2,000円。
「抵当権抹消」の手続きのため司法書士への依頼手数料が15,000円かかります。
次に、「譲渡所得税」の計算です。
マンションの所有期間は5年以上なので、「長期期譲渡所得」に該当し、「譲渡益」に対して、20.315%課税されます。
「譲渡所得税」は、マンションを売却して得た利益「譲渡益」に課税されるので、まずは「譲渡益」を計算します。
※1取得費=購入時の購入価格(減価償却費を引く)+ 購入に要した諸費用
※2譲渡費用=売却時にかかった経費(=仲介手数料・印紙税・登録免許税・司法書士への依頼手数料・測量費など、売却に要する諸費用)
- 売却価格=7,000万円
- 取得費(購入時の購入価格から減価償却費を引き、そこに購入時の諸費用を加える)
=(5,000万円 - 440万円)+ 250万円=4,810万円 - 売却時の譲渡費用(仲介手数料・印紙税・登録免許税・司法書士への依頼手数料など)
=237万6,000円+3万円+2,000円+15,000円=242万3,000円
7,000万円 -(4,810万円+242万3,000円)=1,947万7,000円
これに課税額20.315%をかけると、「譲渡所得税」は下記の金額となります。
1,947万7,000円×20.315%=395万6,752円※
※小数点繰り上げ
まとめると、諸費用と税金の合計は下記の内容となります。
仲介手数料 | 237万6,000円 |
印紙税 | 3万円 |
司法書士への依頼手数料 | 1万5,000円 |
譲渡所得税 | 395万6,752円 |
合計 | 637万7,752円 |
---|
この他に、場合によってはハウスクリーニング費用、住宅ローン返済手数料などがかかってきます。
仲介手数料は値引きできる?値引きの方法とは
先述した通り、不動産会社が提示する仲介手数料は、上限は決まっていても下限は決まっていません。
そのため、不動産会社との話し合いによっては仲介手数料の値引き交渉も可能です。
値引き交渉を成功させる上でいちばん重要なのは、タイミングを見誤らないことです。
①媒介契約締結時
媒介契約締結時とは、「物件売却をどの不動産会社に依頼するか」の選定のタイミングです。
例えば、不動産会社のA社とB社の2社どちらかに依頼しようと考えていて、どちらも魅力がほぼ同じで決めかねているとします。
そのタイミングで、
と話をしてみると、他の会社に負けないように何とかして売却依頼を受けたい不動産会社が、値引きを提案してくる可能性があります。
②購入申込みが入ったタイミング
2つ目は「購入申込みが入ったタイミング」です。
例えば、物件を5000万円で売りに出しているとします。そこに、
という買主が現れたとします。
媒介契約締結時は、「売買価格の3%+6万円+消費税」を支払うとしていた場合でも、不動産会社に
と交渉を行うことで割引をしてくれる可能性があります。
4,850万円で売買が成立すると仲介手数料は約166万円※ですが、
※消費税10%の場合
とお願いしたとすると、売主と不動産会社の構図はこのようになります。
値引きに応じて150万円売買価格で損をするが、仲介手数料が83万円割り引かれるので実損は67万円。
仲介手数料を値引かないことで売買契約を逃してしまうと、約166万円入る予定だったのが0となってしまう。83万円だけでも実入りが有る方を選択する可能性がある。
費用・税金を安く抑える方法とは
税金など諸費用に関しても、安く抑えることは可能です。
マイホームとして居住しているマンションを売却する際には、控除の発生する税金特例が存在します。
①3000万円控除
「3000万円控除」の正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。
マイホームの定義を満たした物件を売却したときに、譲渡所得から最大3,000万円の控除が受けられる制度のことです。
※譲渡所得が3,000万円に満たないときはその満たない金額の範囲
特例を受けるためには確定申告を行う必要があります。
この控除が適用された場合、譲渡所得が3,000万円以下なら、譲渡所得税額は0円になります。
ただし、「3,000万円特別控除」を利用すると、売却後に購入した物件は、「住宅ローン控除」が受けられなくなるので注意です。
また、2009年(平成21年)~2010年(平成22年)の間に土地を購入し、5年以上保有して売った場合に限り、譲渡益から1,000万円を控除できます。
こちらは「住宅ローン控除」と併用できますので、2009年(平成21年)~2010年(平成22年)の間に不動産を購入した人は抑えておきたい制度です。
- 正式名称「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を適用すると、譲渡所得から最大3,000万円の控除が受けられる。
- 特例を受けるためには確定申告が必要
- ただし、「3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」の併用は不可能。
- 「1,000万円控除」は「住宅ローン控除」と併用できるが、「3,000万円特別控除」との併用は不可能。
※1 租税特別措置法第35条
②住宅ローン控除
買い替えでマンションを売却する場合は、新居の購入で「住宅ローン控除」が使えます。
基本的には「3,000万円控除」や「特定の居住用財産の買い替え特例」と住宅ローン控除の併用はできません。
売却物件で利益が出てしまった場合には、売却物件で税金が安くなる特例を使うか、購入物件で住宅ローン控除を使うかのどちらかを選ぶ形になります。※3
- 住宅ローン控除では、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除できる。
- マンション売却と合わせて、新居の購入をする場合に適用可能。
- 基本的には「3,000万円控除」や「特定の居住用財産の買い替え特例」との併用は不可。
③特定居住用財産の買換え特例
マイホームの売却と一緒に住み替えで新居を購入した場合は、「特定居住用財産の買換え特例」が適用できるケースがあります。
※令和5年12月31日までにマイホームを売って、マイホームを購入(買い換え)した人が対象。
また、特定の居住用財産の買換え特例は、あくまで売却時の譲渡所得への課税の繰り延べであり、免除されるわけではありません。
「3,000万円特別控除」と「特定居住用財産の買換え特例」のどちらを選択した方が有利かは個々人の状況によって異なります。
- 「特定居住用財産の買換え特例」は、売却した譲渡価額よりも、新しく購入した家の方が取得価額が高い場合に適用できる。
- 譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる。
- あくまで「繰り延べ」となり、免除ではないので、利用されるケースは少ない。
※1 国税庁 No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
④特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
自宅として利用していたマンションの売却において、
売却額が購入額より低くなり、譲渡所得がマイナスになる「譲渡損失」になったときに使える特例です。
※マイホーム(旧居宅)を売却して譲渡損失が生じた上で、新たにマイホーム(新居宅)を購入した場合
譲渡損が出た場合、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を行うことができます。
【シミュレーション】
- マイホーム売却で発生した譲渡損失:1,000万円
- 不動産を売却した年の課税所得(給与等の所得):1,200万円
- 課税対象:1200万円-1000万円=200万円
【シミュレーション】
- マイホーム売却で発生した譲渡損失:1,000万円
- その年の課税所得(給与等の所得):500万円
- 課税所得:500万円-1000万円=△500万円
「控除しきれなかった譲渡損失500万円」を、以後3年間繰越控除できる。
- 「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」は、売却額が購入時の金額より低く、譲渡所得がマイナスになる「譲渡損失」になったときに使用できる。
- 譲渡損失の損益通算(課税所得から、譲渡損失を控除すること)が可能。
- 「損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失」を、繰越控除(譲渡の年の翌年以後3年間繰り越して控除すること)することが可能。
マンションを高値で売るには
これまで解説してきたように、マンション売却時にかかる仲介手数料・諸費用はある程度抑えることは可能です。
とはいえ、仲介手数料の値引きに重きを置きすぎて、優良な不動産会社との媒介契約を見送ってしまうのはナンセンスですし、税金を安く抑えることができる範囲も限られています。
そこで重要視したいのは、不動産をなるべく高値で売却することです。
マンションレビューのプロデュースした不動産売却一括査定サービス「タカウル」は、高値売却に特化した売却サービスです。
「囲い込み」のリスクのない一般媒介を推奨・またその理念に同意した不動産会社が参画しているので、市場に競争理念が働きやすく、高値で売却できるシステムが採用されています。
また、仲介・買取同時査定が可能なため、複数の会社の査定結果を比べて、より自身の売却事情にあった取引を選択し、契約を締結することが可能です。
まとめ
- 仲介手数料の相場は、厳密にはない。
- 法律で上限金額が決まっているだけ。
- 法定上限金額は「売却価格の3%+6万円+消費税」で算出でき、それが相場とも言える。
- 法定上限金額は、早見表でも確認できる。
マンションを売却したときにかかる税金・費用は、以下の3つに分けられる。
①マンション売却時に必ずかかる税金
②売却時に利益が出たときにかかる税金=譲渡所得にかかる税金※所得税・住民税・復興特別所得税
- 不動産所有期間が5年以内の場合…課税率39.63%
- 不動産所有期間が5年以上の場合…課税率20.315%
③場合によってはかかる費用
- 引越し費用:数万
- ハウスクリーニング費用:3〜10万
- ローン返済手数料:無料〜1万円以上
仲介手数料は話し合いによって値引き交渉が可能。交渉のタイミングは下記がベスト。
- 媒介契約締結時 もしくは
- 購入申込みが入ったタイミング
税金は下記のような控除によって安く抑えることができる。
ただし、「3000万円控除」・「特定の居住用財産の買換え特例」と「住宅ローン控除」は併用することはできない。
- 3000万円控除
- 住宅ローン控除
- 特定の居住用財産の買換え特例
- 譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
値引き交渉や控除の利用で諸費用を抑えることもできるが、限度があるため高値売却を重視すべき。
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