この記事で学べること・ポイント
- リノベ済みマンションを購入するメリット
- マンションを購入してからリノベーションする際の注意点
- リノベーションをする際の住宅ローンの組み方

ここ数年、中古マンションのリノベーションはトレンド化していますね。価格も、新築を購入するより安く済むことが多いです。
近年、新築マンションは供給量が減少し、反比例的に価格が高騰しています。
そんな中、人気を集めているのが、「中古マンション+リノベーション」という住まいの形です。
新築より安く、かつ選択肢の多い中古マンションであれば、リノベでひと手間加えることで、予算を抑えて理想の住まいを手に入れることができます。
しかし、物件の選び方ひとつで、
やりたかったリノベーションができなかった
などのトラブルが起きる可能性もあります。
せっかくの住まい購入で後悔しないために、「中古マンション+リノベーション」の注意すべき点を学んでいきましょう。
費用を抑えたい!「中古マンション+リノベーション」という選択肢

なぜいま、中古マンションを買ってリノベーションする人が増えているのでしょうか?
新築マンション購入との比較や、リノベ済みマンションを購入する場合との違いを見ていきます。
新築マンションと中古マンション、どちらがいい?

新築マンションの市場動向は、不動産経済研究所の「全国 新築分譲マンション市場動向 2023年」で確認できます。
調査資料によると、2023年に販売された新築分譲マンションは、前年から10.8%減少の6万5,075戸でした。
首都圏、近畿圏、東海・中京圏の三大都市圏すべてが減少傾向となっています。
販売価格の全国平均は5,911万円です。1㎡あたり92.0万円という価格は、記録的に高い水準とされています。
中古マンションの相場価格も、新築マンションの価格高騰にともない、長期スパンで上昇しています。
ただし、2023年に販売された新築マンション戸数6万5,075戸に対し、中古マンションの売出件数は44万7,210件でした。
交通アクセスのよい都市部の駅や、大型商業施設に近い物件なども比較的見つけやすく、新築マンションより選択肢の幅が広いといえます。
※不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2023年」
中古マンションのリノベーションは人気傾向
近年、中古マンションのリノベーション事例はどんどん増えています。
Instagramのハッシュタグ件数では、「#リノベーションマンション」が20万件以上、「#リノベーション」が388万件以上と、SNSでも関心の高さが分かります。


リノベ不動産では「中古購入+リノベの事例」、「金利が安くなる物件とリフォームのセットローン」、「予算」、「成功ノウハウ」を多数公開中。「好立地の中古マンション、戸建てを購入してリノベ」をお考えの方はご確認ください。
リノベ済みマンション購入と、自分でフルリノベ、どちらを選ぶ?

中古マンションの中には、すでにリノベーションされた状態で販売されているものもあります。
リノベ費用を抑えられる

リフォーム・リノベーションが済んでいる中古マンションの場合、すでにある程度きれいな状態であるため、追加の工事が基本的に不要です。
また、販売しやすいように、人気の内装や設備が導入されているケースも多くあります。
仮にリノベを加えるにしても、自身がこだわりたい点のみに絞って施工ができるため、
- 料理が好きなのでキッチンをとことん使いやすくしたい
- 理想の書斎スペースを叶えたい
など、部分的な工事で済みます。
もちろん、リノベされていない物件より価格は上乗せされていますが、0からフルリノベーションをするよりも総額を抑えられるケースもあります。
基本的には、追加の工事が必要な部分がないため、いちからリノベするより早く入居できるというメリットもあります。
「契約不適合責任」の期間が2年間ある(業者による再販住宅の場合)

不動産取引における「契約不適合責任」とは、売買された物件の「種類、品質、数量」が、取り決められた契約の内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
従来は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものが、2020年4月1日の民法改正によって、内容と名称があらためられました。
ポイントとなるのは、売主が個人である場合、同じ内容の瑕疵や不適合があっても免責となる可能性があるという点です。
リノベ済み物件を再販する業者(法人)が売主であれば、2年間は契約不適合責任を問えるため、リスクヘッジになります。
※ハトマークサイト:住まいの法律を知る
住宅ローンのみで購入できる

利用するのが住宅ローンのみで済む可能性が高い、という点も、リノベ済み中古マンションを購入するメリットのひとつです。
多くの金融機関において、住宅購入のためのローンと、リフォーム・リノベーションのためのローンは、別々に用意されています。
一般的に、リフォーム・リノベーションローンの金利は住宅ローンよりも高く、かつ、返済期間の最長期間が短く設定されています。
つまり、月々の返済額が高くなりやすいのです。
住宅ローンに加えて、金利の高いリフォームローンの返済も必要となると、家計の負担となるおそれがあります。
ただし、金融機関によっては、購入後のリノベーション費用も住宅ローンに含められるケースがあります。ぜひ、不動産仲介の担当者へ確認してみてください。
住宅ローンとリフォームローンについては、このあとの項目「中古マンションのリノベーション費用は住宅ローンに組み込める?」でも、詳しく解説しています。
リノベーションされた中古マンションを購入しても、結局内装や設備が気に入らず、追加で施工するリノベに費用がかかってしまう…といったケースも起こり得ます。
そうならないために、まずは「どんな家でどんな暮らしをしたいのか」具体的なイメージをたててみましょう。
そのイメージをもとに、仲介の担当者やリノベーションの施工会社などに相談しつつ購入を進めるのがおすすめです。
住んで後悔!?中古マンションリノベーションの落とし穴とは【体験談】

メリットが多く、魅力的な中古マンションリノベーションですが、中には「住み始めてから後悔した」という経験をもつ方もいます。
【購入体験記】中古マンション購入!理想のリノベーションを実現した部屋への満足と共用部の古さへの不満の話
ご紹介するのは、マンションレビューユーザーによる体験談です。

【おおまかな内容】
- 子どもの学区内に限定して物件を探した。
- エリア内では土地が見つからず、戸建てではなくマンション購入を選択。中古マンションを購入し、自分たちの思い通りのリノベーションをすることに。
- 不動産会社の対応や、専有部のリノベーションには満足。
- 築古の物件のため、共用部の古さや、管理状態に不満あり。また、マンション内の人間関係にも悩んでいる。
このように、せっかく良い不動産会社や施工会社を見つけられても、肝心の物件に不満が出てしまうこともあります。
リノベーションで起こりがちなトラブル

住まいのリノベーションならではのトラブルが起きることもあります。
①こだわりすぎて、結果的に費用が高くなる
あれも、これも…と希望を加えすぎて、結果的に費用がかさんでしまうのは、リノベーションを選ぶひとが陥りやすい失敗です。
特に、大がかりであったり、水回りを含めた改装には、高額な費用がかかる傾向にあります。
- 壁を抜いて部屋をつなげる工事
- キッチンの全面改装
- お風呂場の全面改装
また、マンションを購入したあとは、ローンの返済のほかにも管理費、修繕積立金、固定資産税のような固定費が発生します。
住宅購入に関わる出費の全体を把握してから、リノベーションの予算を検討しましょう。

②希望するリノベーションを叶えられない
購入した物件の構造によっては、希望のリノベーションを実施できない可能性もあります。
これらのトラブルを避けるためには、最初の購入計画を立てるプロセスが重要です。
物件選びを開始する前に、下記内容をきちんと検討しておきましょう。
- ご自身や家族がどんな住まいを求めているのか
- 実現させたいリノベーション(なるべく具体的に)と、その優先順位
- リノベーション費用も含めた、住まいの購入予算の計画
リノベーションを考えるひとへ、中古マンションの選び方のポイント

一般的に、マンションは築年数が古くなるにつれて価格が下がっていきます。
底値を迎えるのが、築25年前後です。以降、価格の下落は落ち着きます。
裏を返せば、それ以上に資産価値が大幅に下がる心配がないため、将来売却するときの価格も落ち込みにくいと考えられます。
ただし、築古物件の場合、忘れてはいけないのが安全面のリスクです。
そのほかにも、リノベーション前提の場合、注意したい点がいくつかあります。
※マンションレビュー:全国の中古マンションの築年数別平均価格を公開
安心への妥協はNG。耐震性は要チェック

何よりもまず意識したいのは、災害時のことです。
検討中の物件がどのレベルの耐震基準をクリアしているのかを確認しましょう。
1981年6月1日以降に建築確認された物件は新耐震基準を、それ以前の物件は旧耐震基準を満たしていると考えられます。
日本は、ご存知のとおり地震大国です。一定の耐震基準をクリアしている物件を選ぶことが、暮らしの安心につながります。
同時に、立地の災害リスクも考慮しておきましょう。
ネット検索をすれば、各自治体のハザードマップを確認できます。
購入予定の物件の周辺地域に液状化のリスクはないのか、いざという場合、避難所までどのようにアクセスできるのか、事前にチェックしておくことが肝心です。
マンションレビューでは、住まい探しをする方へ向けて災害対策の特集コラムを掲載しています。

修繕計画や管理状況のチェックは念入りに

修繕費や管理費の積立状況も、購入前に必ず確認しておきましょう。
マンションは数年に1回、大規模修繕工事を行います。
このとき、毎月徴収している修繕積立金の積立額が足りないと、追加徴収が行われる可能性があります。
物件を購入してオーナーになったら、修繕費や管理費の徴収に応じなくてはいけません。
直近で大規模修繕工事の予定があるか、もしあるなら、修繕費の積立状況が適切か、物件の購入前に確認しておくことをおすすめします。
マンションの修繕積立金については、こちらの記事でも詳しく解説しているため、あわせて参考にしてください。

そんなときはぜひ、マンションレビューでマンションの口コミページを確認してみてください。
その物件、あるいはその周囲に住んでいる/住んでいたひとからのリアルな口コミが寄せられています。
共用部や管理状況に関する項目もあるため、きっと実情を知るのに役立つはずです。
希望するリノベーションが可能かを確認

そもそも希望する施工ができないというトラブルも、中古マンションのリノベーションでしばしば起こります。
このときのハードルとなるのが管理規約、そして構造上の問題です。
マンションごとに定められている管理規約では、専有部内での改修工事の種類が制限されている場合があります。
また、そもそも物件の構造的に実現できないような施工もあります。
たとえば、「壁式構造」の物件の場合、間取りの大きな変更ができません。

一方、柱と梁を組んで耐震力をあげている構造を、「ラーメン構造」と呼びます。

- 在来浴室である
- 直天井・直床である
DAIKEN:壁式構造
適正価格と売出価格を比較

中古マンションの中でも、割安な物件を選べば、購入+リノベーションの総費用を抑えて満足度の高い住まいが手に入る可能性があります。
しかし、はじめてのマンション購入では、検討中の物件が割安なのか割高なのか判断が難しいでしょう。
そんなときは、マンションレビューの【AIレコメル】を是非活用してみて下さい。

【AIレコメル】は、「高資産価値で割安」・「新着」・「価格値下げ」3種類の物件情報を、いち早くメールでお届けするマンションレビューのメルマガサービスです。
物件の割安・割高の判断がつかない…という不動産取引初心者の方でも、マンションレビューのAIによる判定で良質な「高資産価値・割安」物件情報を、無料で、簡単に、早く知ることができます。
さらに、マンションレビューサイトに掲載されている販売情報からも、ご自身の気になる物件が「高資産価値で割安」・「新着」・「価格値下げ」物件なのかを確認できます。

また、マンションレビューの適正価格診断や、中古販売履歴も、物件の資産価値を判断する上で参考になります。
不動産仲介担当者との”相性”も大切

良い不動産仲介担当者と出会えるかどうかも、不動産購入の成功・失敗に大きく関わります。
ただ力量がある、というだけではなく、ぜひご自身との相性も重視してください。
- 希望するリノベーションについて、真摯に話を聞いてくれているか
- リノベーション施工事例の相場を把握しているか
- リノベーション込みの取引事例を扱った実績はあるか
物件探しからリノベーションの施工まで、ワンストップでサービスを提供しているリノベ専門の不動産会社もいくつかあります。
対応を一貫して任せられるため、やりとりの負担が少なくなります。リノベの事例にも詳しく、このような会社に依頼するのもよいでしょう。
中古マンションのリノベーション費用は住宅ローンに組み込める?

マンションの購入予算を考えるうえで、気になるのが住宅ローンではないでしょうか。
リノベーションの費用は、基本的に専用のリフォームローンを利用して借入しますが、住宅ローンにすべて組み込めるケースもあります。
住宅ローンとリフォームローンの違い

住宅ローンは、不動産の購入時に金融機関から借りるお金のことです。
対して、住まいの屋根・外壁・内装・水回りなど、もともとの物件に改修を加えるリフォーム/リノベーション専用に金融機関から借りるお金のことを、一般的にリフォームローンと呼びます。
※ただし、住宅ローン・リフォームローンの適用条件は、金融機関により異なります。
詳しい内容は金融機関により異なりますが、多くの場合、リフォームローンのほうが住宅ローンより金利が高く、借入期間が短く設定されています。
ここで、ある金融機関の住宅ローンとリフォームローンのプラン内容をもとに、月々の返済額をシミュレーションをしてみましょう。
【総予算5,000万円(マンション購入費4,000万円+リノベ費用1,000万円)の場合】
金融機関Aの住宅ローン | 金融機関Aのリフォームローン | |
---|---|---|
金利 | 0.345% | 1.99% |
借入期間 | 最大35年間 | 最大15年間 |
総額を住宅ローンのみで借り入れると…
- 毎月の返済額…133,422円
- 総返済額…53,025,743円
マンション購入費4,000万円を住宅ローン、リノベ費用1,000万円をリフォームローンで借り入れると…
- 毎月の住宅ローンの返済額…106,738円
- 毎月のリフォームローンの返済額…72,138円
- 毎月の合計返済額…最初の15年間は178,876円、残り20年間106,738円
- 総返済額…42,420,550円+11,500,716円=53,921,266円
築年数と住宅ローンの注意点

そもそも、購入する物件の築年数が古すぎる場合、住宅ローンの融資を受けられない可能性もあります。
金融機関によっては、審査時に購入物件の築年数を問われる場合があるためです。
また、住宅ローンの借入可能金額を算出する時、銀行が物件の価値を評価する、担保評価額も考慮されます。
築古のマンションは、築浅物件よりも担保評価額が低くなる傾向にあり、借入可能金額が低くなる可能性があります。
また、管理形態が自主管理の物件の場合も、低い担保評価をつけられやすいため注意が必要です。
リノベ費用を含めて住宅ローンを組めることも!仲介担当者へ要相談

じつは、金融機関によっては、リノベーション費用も込みで住宅ローンを組めることがある、というのです。
住宅ローンでの一括借入ができるかどうかは、依頼している不動産会社や金融機関、そしてご自身の年齢、年収、勤務先等の属性に左右されます。
リノベーション費用を住宅ローンに含められるメリットは大きいため、最初からあきらめず、まずは仲介担当者へ相談してみてください。
まとめ

- 購入後の工事が不要・こだわりたい点のみに絞って施工ができるため、追加のリノベ費用を抑えられる。
- 業者による再販住宅の場合は、契約不適合責任の期間が2年間あるため、瑕疵や不適合があった場合責任を問える。
- リフォームローン を別途組む必要がなく、住宅ローンのみの利用で済む。
- 基本的にリノベーションの費用は、住宅ローンとは別に、専用のリフォームローンを利用して借入する。
- 多くの場合、リフォームローンのほうが住宅ローンより金利が高く、借入期間が短く設定されている。
- ただし、金融機関によっては住宅ローンにリノベーションの費用も組み込めるケースもあるので、仲介会社に相談する。
- 築年数が古すぎる場合や自主管理マンションの場合、住宅ローンの融資を受けられない可能性もあるので注意


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