この記事で学べること・ポイント
- マンション管理会社の役割
- マンションにおける、管理会社・管理組合・自主管理の違い
- マンション所有者にとって、管理会社が重要な理由
- 管理会社の選び方のポイント
- 管理会社を変更する前に知っておきたいこと
- 管理会社を変更する際の手順

建物設備の点検や清掃など、マンションの維持管理業務を担ってくれる管理会社の質は、マンションそのものの暮らしやすさや資産価値に深く関わります。
- マンション管理会社とは、マンションの維持・管理を区分所有者から委託されて行う不動産会社
- 管理の質が資産価値に影響を与えるため
- 管理の質が居住する上での快適性につながるため
- 複数の会社から見積もりを取る
- 会社の規模や実績を調べる
- 担当者の対応を確認する
- 管理委託契約の内容を理解する
メリット
- サービスの質が向上する
- 担当者とのコミュニケーションが円滑になる
- マンションの資産価値が向上する
- 住環境が改善される
- よりコストパフォーマンスのよい管理会社を見つければ、管理委託費を削減できる
デメリット
- 期待したほどのサービスを得られない
- 慣れた担当者に比べ、新しい担当者とのコミュニケーションには齟齬が生じやすい
- 管理会社と担当者の移行時に、管理の質が低下する可能性がある
- 元の管理会社とうまく契約解除ができない
- 引継ぎがうまくいかない
- 契約内容の理解に齟齬が生じる
- 契約書の内容を十分に確認し、不明な点や疑問点を解消する
- 従来利用している管理会社の管理委託費が値上げされた時
- 現在の管理体制に不満が生じている場合
- 管理会社の担当者が変わる時
- 現状の管理体制の問題点を把握する
- 複数の管理会社に見積もりを依頼する
- 理事会で候補を絞り込む
- 総会で決議する

マンション管理会社とは?

マンション管理会社は、マンションの維持・管理を区分所有者から委託されて行う不動産会社です。
マンションの住環境や資産価値を良好に保つためには、適切な管理が必要です。
管理会社の業務内容は、主に「事務管理業務」「管理員業務」「清掃業務」「建物・設備管理業務」の4つの領域に属します。

| 領域 | 業務内容 | 例 |
|---|---|---|
| 事務管理 | 管理組合の事務的な対応を受託・サポートする業務 | 管理費・修繕積立金の徴収、未納の管理費・修繕積立金に対する督促、管理組合の会計報告書の作成、総会や理事会の運営サポート |
| 管理員 | マンションの管理員としての日常的な業務 | 建物・共用部の点検、巡回、来訪者の対応、コンシェルジュ業務 |
| 清掃 | 建物・共用部の清掃業務 | 日常的な共用部の清掃、ごみ捨て、建物全体の定期清掃 |
| 建物・設備管理 | 建物や設備の状態を点検・修繕する業務 | エレベーターなど共用設備の点検、消防設備の点検、給排水設備の管理、長期修繕計画の管理、大規模修繕の実施 |
ただ、複数の世帯が入居するマンションにおいて、区分所有者たち自身がこれらの業務すべてを担うのは現実的ではありません。
そこで、区分所有者に代わりマンションの維持・管理業務を効率的に持続するための存在として、マンション管理会社が存在するのです。
マンションを管理する組織―管理会社・管理組合・自主管理の違い

分譲マンションの区分所有者は、マンションを所有したその時から、その物件の管理組合に所属することになります。
それでは、管理会社・管理組合・自主管理はどのように違うのでしょうか。
- 【管理会社と管理組合】
マンションの管理業務の依頼主と引受人の関係。 - 【管理会社と自主管理】
マンションの管理を所有者自身で行う、自主管理という選択をとることも可能。
管理会社と管理組合―マンション管理における立場が違う
管理組合は、マンションの区分所有者が所属する、マンションの維持・管理に関する意思決定を行う組織です。
日本では区分所有法により、すべての分譲マンションに管理組合の設置が義務付けられています。

実際の維持・管理業務や重要な意思決定は、管理組合の中から選出される理事会の役員の仕事です。
ただし、区分所有者の負担を減らすため、管理組合理事会の仕事を管理会社のようなプロに任せることが認められています。
この仕組みを第三者管理方式と呼びます。

なお、管理会社に委託する業務の範囲を制限することも可能です。
管理業務のすべてを管理会社に委託することを「全部委託」、特定の業務のみ委託することを「一部委託」と言います。
マンションの管理組合については、下記の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
管理会社と自主管理―マンション管理の手法が違う
マンションの管理を所有者自身で行うことを自主管理と言います。
自主管理のメリットは、管理費の徴収額を抑えられることや、維持・管理に関する意思決定の迅速さにあります。
ですが、マンションの管理業務には専門知識が必要となる場面が多いです。
例:
- 共用部の設備の故障した場合
- 建物の破損や老朽化がある場合
複数の区分所有者がいるマンションでは、全員が等しく関心をもって管理や意思決定にあたることも困難です。
また、住民や区分所有者同士のトラブルなど万が一の事態が発生した場合も、第三者である管理会社が間に立つことで、よりスムーズに解決しやすくなります。
マンション管理会社が重要な理由

マンションの資産価値や住環境を高め、維持するためには、良い管理会社を選ぶことが大切です。
以下のポイントについて解説します。
- 【管理の質で資産価値が変わる】
管理の質が良いとマンションの資産価値が高くなる。 - 【居住者の満足度と快適性に影響する】
マンション管理の質が良いことは、居住する上での快適性や安心感につながる。
管理の質で資産価値が変わる
良質な管理は、マンションの資産価値の維持に役立つというデータがあります。
不動産再生研究会において発表された調査では、マンション管理適正評価制度に基づき、管理評価ランクが最高値の5を取得した物件は、未取得の物件と比較して価格が約11%高くなると提示されました。


分譲マンションは、所有者にとって住まいであると共に、大切な資産でもあります。
資産価値を最大限活かすためには、信頼できるプロである管理会社による適切な管理が大きく役立つのです。
居住者の満足度と快適性に影響する
マンション管理の質が良いことは、居住する上での快適性や安心感にもつながります。
また、トラブルや困りごとがあった時、管理会社にすぐ相談できるか・すぐ対応してもらえるかも重要です。
自身が居住せず賃貸で貸しているマンションの場合は、管理の不備が入居者の取り逃がしにつながる恐れがあります。
賃貸希望者は内見の際、マンションの共用部を見て管理が行き届いているかどうかをチェックします。
また、居住する中で管理に不満を持った場合、入居者が退去してしまうかもしれません。
良いマンション管理会社の選び方

それでは、どうすればマンションの管理を安心して任せられる、良い管理会社を見分けられるのでしょうか?
マンションレビューでは、以下の4つのステップを踏むことをおすすめします。
- 【複数の会社から見積もりを取る】
複数の会社から見積もりをとり、委託料とサービス内容を比較検討する。 - 【会社の規模や実績を調べる】
管理会社によって、得意なマンションのタイプが異なる為、規模・実績を調べる。 - 【担当者の対応力を確認する】
管理組合と管理会社との仲介となる存在の為、担当者の対応をしっかりと見極める。 - 【管理委託契約の内容を理解する】
トラブル防止のため、管理会社の業務範囲・費用の内訳・免責事項などを確認する。
複数の会社から見積もりを取る
マンションの管理会社を選ぶ時は、必ず複数の会社から見積もりをとるようにしましょう。
1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうかを判断することができません。
このときポイントとなるのは、委託料の額面を比較するのではなく、必ずサービス内容も含めて比較検討することです。
管理委託費が安いからといって安易に決めてしまうと、必要なサービスが不足していたり、管理の質が低かったりする場合があります。
逆に、管理委託費が高くても、期待するほどのサービスが提供されないこともあります。
- 清掃の頻度
- 設備点検の頻度
- 対応業務の範囲と、サービスに応じて追加費用がかかるか否か
- 緊急時対応の体制
上記の点を考慮しつつ、どんなサービスを求めているのか、事前に管理組合で方針をまとめておきましょう。
会社の規模や実績を調べる
マンション管理会社を選ぶ上では、その会社の規模や実績も判断基準となります。
基本的に、管理会社の種類は「デベロッパー系」「独立系」「ビルメンテナンス系」の3つに分けられます。

それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめたのが以下の表です。
| デベロッパー系 | 独立系 | ビルメンテナンス系 | |
|---|---|---|---|
| 特徴 | 新築分譲マンションを手がける大手不動産会社の子会社やグループ会社。規模は大きめ。 | 親会社を持たないマンション管理を専門とした会社。中小規模の企業が多い。 | 商業施設やオフィスなど大規模ビルのメンテナンスを行う会社がマンション管理も行っているパターン。 |
| メリット | ・自社ブランドのマンションについて正確かつ詳細に把握している ・グループ会社との連携で、充実したサービスを提供する ・ブランド力があり、購入者や入居者に安心感を与えやすい |
・デベロッパー系に比べて費用が抑えめ ・対応が柔軟 ・営業努力が高く、費用やサービスの融通が効きやすい |
・一般的に建物の構造や管理に詳しい ・清掃や設備の保守などスキル面の専門性が高い |
| デメリット | ・費用は高めの傾向 ・対応の柔軟性に欠ける傾向 |
・建物情報についての引継ぎをする必要がある ・大手親会社に属する他社に比べて品質が不透明で、よく精査する必要がある |
・マンション管理の実績は少ない場合がある |
管理会社によって、得意なマンションのタイプは異なります。
この時、判断の指標となるのが、その管理会社が主に取り扱っている物件の戸数です。
例:
- 100戸以上のマンションの取り扱いが多い場合、大規模マンションの実績が豊富で対応事例も充実している
- 中小規模のマンションの取り扱いが多い場合、同様の物件の対応に慣れていると判断できる
なお、会社の規模に対して対応している物件数が多い場合、担当者の業務が追いつかず細かな対応が行き届かない恐れもあるため注意が必要です。
担当者の対応力を確認する
マンション管理会社との良好な関係を保つうえで、一番大切なのが担当者の質です。
担当者は、管理組合と管理会社との仲介となる存在です。
管理組合は、管理会社への要望や問い合わせがある場合、必ずこの担当者を介することになります。
担当者が親身になって相談に乗ってくれるか、迅速かつ丁寧に対応してくれるかなど、担当者の対応をしっかりと見極めましょう。
企業同士で取引をする時、相手方の営業担当者が信頼できるかどうか、厳しく判断するのではないでしょうか。
管理組合と管理会社の担当者の間でも同じことです。
事前の面談で、下記を見極めましょう。
- これまでの担当者自身の実績や資格の有無
- コミュニケーションがスムーズにとれるか
- 真摯に対応をしてくれそうか
なお、担当者自身が新任で経験が浅い場合は、管理会社内部での連携の密度やサポート体制についてよく確認するのがおすすめです。
管理委託契約の内容を理解する
契約を結ぶ前に、管理会社との契約内容をしっかりと確認しましょう。
特に注意すべき点が、管理会社が受託する業務範囲・費用の内訳・免責事項です。
免責事項とは、管理会社が責任を負わない範囲のことです。
例えば、自然災害による損害や、居住者間のトラブルなどは、免責事項となる場合があります。
管理委託契約の内容については、弁護士やマンション管理士といった専門家に相談できます。
契約内容をしっかりと確認し、納得した上で契約することが重要です。
マンション管理会社を変更する前に知っておきたいこと

マンション管理会社の変更には、状況の改善を期待できる一方で、かえって悪化するリスクもあります。
管理会社変更で生じうるメリットとデメリット、そして変更時に起こりやすいトラブルを解説していきます。
- 【管理会社変更のメリットとデメリット】
マンションにより適した管理会社に変更できればメリットが大きくなり、誤ればデメリットが大きくなる。 - 【管理会社変更時に起こりやすいトラブルと避けるためのポイント】
元の管理会社との契約解除・新しい管理会社との契約など、しっかりと確認することが重要。 - 【マンション管理会社の変更を検討すべきサイン】
管理費の不当な値上げや管理体制への不満などを感じた時は変更を検討すべき。
管理会社変更のメリットとデメリット
管理会社変更のメリット・デメリットの基本的な考え方はシンプルです。
そのマンションにより適した管理会社に変更できればメリットが大きくなり、もしも変更先の選択を誤ればデメリットが大きくなります。
より良い管理会社に変更できた場合のメリット、変更が適していなかった場合のデメリットをそれぞれ表にまとめました。
- サービスの質が向上する
- 担当者とのコミュニケーションが円滑になる
- マンションの資産価値が向上する
- 住環境が改善される
- よりコストパフォーマンスのよい管理会社を見つければ、管理委託費を削減できる
- 期待したほどのサービスを得られない
- 慣れた担当者に比べ、新しい担当者とのコミュニケーションには齟齬が生じやすい
- 管理会社と担当者の移行時に、管理の質が低下する可能性がある
メリットを最大限得るためには、事前に現在の管理の問題点の洗い出しと、変更先の管理会社の比較検討を入念に行うことが必要です。
管理会社変更時に起こりやすいトラブルと避けるためのポイント
より良い管理会社を見つけられたとしても、変更の手続きや引継ぎには大きな労力を要します。
そのなかで起こりやすいトラブルとして、以下のような例があります。
- 元の管理会社との契約解除がうまくいかない
- 引継ぎがうまくいかない
- 契約内容の理解に齟齬が生じる
例:
- 解約通知の送付は、内容証明郵便を利用するなど証拠を残す
- 未払金や未処理の案件が残されていないかの確認
- 元の管理会社がまとめている資料などは、漏れなく管理組合の手元に置く
元の管理会社との解約を適切に進めることは、引継ぎにも役立ちます。
新しい管理会社との契約内容に関するトラブルを避けるためには、契約書の内容を十分に確認し、不明な点や疑問点の解消に努めましょう。
特に、管理委託費や、サービス内容、免責事項などについては、しっかりと確認することが重要です。
マンション管理会社の変更を検討すべきサイン
- 従来利用している管理会社の管理委託費が値上げされる
- 現在の管理体制に不満が生じている
- 管理会社の担当者が変わる
管理費の値上げや管理体制への不満は、放置すると後々より大きなトラブルに発展する恐れがあります。
担当者の変更は、決してそれ自体が悪いことではありませんが、もしもサービスや対応の質が低下するようであれば注意すべきです。
建物が、経年によって修繕が必要となったりメンテナンス内容が変わったりするのと同じように、マンションの管理も、状況に応じて最適な選択肢をとることが大切なのです。
マンション管理会社の変更手順

マンションの管理会社の変更は、下記のような流れで進行します。
それぞれ具体的に何をすべきか見ていきましょう。
- 【現状の管理体制の問題点を把握する】
管理会社を変更すべきか判断するため、現状の管理体制の問題点を把握する。 - 【複数の管理会社に見積もりを依頼する】
複数の会社から見積もりをとり、比較検討する。 - 【理事会で候補を絞り込む】
費用だけでなくサービスの内容や担当者の対応も含めて判断する。 - 【総会で決議する】
管理組合の総会にて、区分所有者全体での合意を取る。
①現状の管理体制の問題点を把握する
管理会社変更の検討をはじめるのは、管理組合の理事会の役目です。
管理会社を変更すべきかどうか判断するため、まずは管理体制の問題点を把握しましょう。
以下はチェックする項目の一例です。

- 日々の清掃がきちんと行われているか
- 清掃の頻度や範囲は適切か
- 設備点検の頻度は適切か
- 故障のあった設備について、迅速に対応されているか
- 管理委託費とサービス内容は見合っているか
ここで大切なのは、理事会役員だけでなく、管理組合全体の意見を広く集めることです。
日頃から意見書を募る、区分所有者同士で意見を交換する場を設けるなど、問題点がある場合きちんと把握できるような仕組みづくりが役立ちます。
②複数の管理会社に見積もりを依頼する
問題点を洗い出し、管理会社の変更を検討すべきと判断されたら、必ず複数の管理会社から見積もりをとるようにしましょう。
管理会社の変更にあまり積極的でない場合でも、他社の見積もりを把握することで、現行の管理会社の料金設定が適切であるかどうかの判断もできます。
③理事会で候補を絞り込む
各社から提出された見積もり内容をもとに、理事会で比較検討を行い、候補を絞っていきます。
この時大切なのは、費用だけでなくサービスの内容や担当者の対応も含めて判断することです。
なお、管理会社を比較する際の判断基準として、「マンション管理適正評価制度」や「マンション管理計画認定制度」を活用することもできます。
これらの2つの制度は、いずれも令和4年4月から運用が開始された、マンションの管理状態を適切に評価するためのものです。
こうした制度に対応している管理会社であれば、より信頼性が高いと判断できます。
④総会で決議する
実際に管理会社を変更するには、区分所有者全体での合意形成が必要です。
管理会社に業務を委託するのは、理事会ではなく管理組合、つまり区分所有者全体であるためです。
その決議の場として、管理組合の総会があります。
理事会は、管理規約に定められた内容に従い、総会を開催します。
総会には、原則すべての区分所有者の出席が求められますが、本人の出席が不可能な場合、代理人を立てることや書面による議決も認められています。
なお、管理組合全体の仕組みについては下記の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
まとめ

普段マンションに暮らしていて、管理会社の存在を強く意識する機会は少ないかもしれません。
ですが、管理会社の質や対応は、あなたのマンションの資産価値や快適性に直結するとても大切なものです。
「マンション管理会社は何をしているの?」「マンション管理会社の変更を検討すべきタイミングは?」と思ったときにはぜひ、この記事の内容を参考に検討を進めてみてください。
この記事の結論・まとめはこちら
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