この記事で学べること・ポイント
- マンションの寿命は何年か
- マンションの寿命が決まる要素
- 寿命を迎えたマンションがどうなるのか
- 寿命の長いマンションの見つけ方
A.マンションの平均寿命は68年程度。マンションのメンテナンスがきちんと行き届いていれば、100年以上の寿命となるケースもある。
- 耐震性
- 管理状態(修繕計画・メンテナンス)
- 構造(コンクリート・建材・配管)
- 立地条件
- 経年
- 経済的観点
- 居住者負担で建て替える
- ディベロッパーに売却される
- 解体したうえで土地を売却する
- そのまま住み続ける
A「住宅性能表示」や「中古R住宅マーク」を確認する。また、寿命の長さと資産価値は比例するため、資産価値の高い物件を探すと良い。

マンションの寿命と耐用年数は別物

マンションの寿命について解説していく前に、まずはマンションの寿命と、似たような言葉である耐用年数との違いを把握しておく必要があります。
- 【マンションの寿命とは】
人が問題なく住むことができる期間のこと。平均寿命は68年程度と言われている。 - 【法定耐用年数とは】
会計上の建物の資産価値がゼロになるまでの年数のこと。47年とされている。
マンションの寿命と耐用年数の違いについて、それぞれ説明していきます。
マンションの寿命とは

マンションの寿命とは、人が問題なく住むことができる期間のことをいいます。
例えば、建物の老朽化が進み、状態が著しく悪くなっているマンションの場合は、倒壊などの危険性が高いため、寿命を超えていると判断されるでしょう。
マンションの寿命は、それぞれのマンションに関する細かい条件や管理状態などによって大きく異なるため、すべてを一括りに判断することは難しくなっています。
なお、一般的には、マンションの平均寿命は68年程度といわれています。
この平均寿命は、自治体が管理する建物の固定資産台帳にあるデータを基に算出された数字となります。
法定耐用年数とは

一方、マンションの法定耐用年数とは、会計上の建物の資産価値がゼロになるまでの年数のことをいいます。
つまり、実際に人が住めるかどうかという点を考慮したものではなく、あくまで減価償却という、建物の経年に伴う価値の減価を何年に渡り費用(損金)として計上することができるかを定めた「会計上の耐用年数」として、理解しておきましょう。
マンションの耐用年数は、国税庁が税金を計算するために設定したものであり、現状におけるマンションの法定耐用年数は、47年です。
先に説明したマンションの平均寿命に比べると、期間が短くなっていることがわかります。
マンションの寿命が決まる要素とは

マンションの寿命は、さまざまな条件が関わってくることで大きく変化するものであり、すべてを一括りに決めることはできません。
ここでは、マンションの寿命を決める主な6つの要素を挙げていきます。
耐震性

マンションの寿命を決める大きな要素のひとつが、耐震性です。
耐震性が高いほど寿命は長くなり、反対に耐震性が低いマンションは寿命も短くなります。
そして、マンションの耐震性を把握する際には、耐震基準というものが非常に重要となってきます。
耐震基準には、大きく2つの基準が存在しているということも理解しておかなければなりません。
1981年5月以前に申請が受理されたマンションには「旧耐震基準」、1981年6月以降に建築確認申請が受理されたマンションに関しては「新耐震基準」が適用されることとなっています。
- 1981年5月以前に建築確認申請が受理されたマンションに適用
- 震度5強程度の地震が発生したとしても、建物が倒壊せず、補修可能な破損程度におさまるような構造が基準となっています。
- 1981年6月以降に建築確認申請が受理されたマンションに適用
- 震度6強から震度7程度の地震が発生したとしても建物が倒壊しないような構造が基準とされていて、旧耐震基準より強固な構造が求められるようになっています。
このように、マンションが建築された時期によって、適用される耐震基準が異なっているため、マンションの寿命を決めるには、いつ建てられたマンションであるかが大きく関わってきます。
特に、1980年代前半に建てられているマンションの場合は、ちょうど2つの耐震基準の変わり目に該当するため、より注意深く確認することが大切です。
注意した方が良いのが、築年月ではなく、建築確認申請が受理されたタイミングで判断されるということです。
そのため、1981年6月築の物件は1981年5月以前に申請が受理されたマンションとなりますので、旧耐震となります。
管理状態(修繕計画・メンテナンス)

マンションの寿命を決める要素のうち、管理状態に関する内容も非常に重要です。
管理状態とは、マンションを良好な状態で維持するためにどの程度きちんとした管理が行われているかということです。
マンションでは、一般的に「長期修繕計画」というものが設けられています。
長期修繕計画では、マンションの修繕工事を、どのタイミングで、どれぐらいの費用をかけて行うかという計画を前もって決めておき、その内容を管理組合全体で共有します。
- 外壁の塗装工事
- 排水管や給水管の取り替え工事
- 防水設備工事
- 共用エレベーターの修繕工事
これらの長期修繕計画で決められた大規模な修繕工事は、概ね10〜20年ごとに実施されるのが一般的です。
また、実際に修繕工事が実施されると、「修繕履歴」としてその内容が記録されていくようになります。
ほかにも、管理会社から発行される「重要事項に関わる調査報告書」を確認することも非常に重要です。
重要事項に関わる調査報告書とは、マンションで実際に行われている管理内容のすべてが記載されている書類のことをいいます。
- 建物の修繕状況に関する内容
- 詳しい管理体制
- 修繕費用の積み立て状況および滞納状況
この「重要事項に関わる調査報告書」の内容を確認し、細かく丁寧に記されているかどうかによって、そのマンションの管理状態がどの程度しっかりとしたものであるかを把握することができるでしょう。
構造(コンクリート・建材・配管)

マンションの構造に関することも、寿命を決める重要な要素といえます。
例えば、マンションを形成しているコンクリートの質が良好であるかというポイントは、きちんと確認しておきましょう。
マンションで使われているコンクリートは、古くなればなるほど劣化していきます。
これは、空気中の二酸化炭素がコンクリートの内部へ入り込むことにより、成分の中性化が進んでいくからです。
コンクリートの質が良好でないと、劣化のスピードが早くなってしまうため、マンション全体としての安全面に影響が出てしまいます。
特にコンクリートクラックというひび割れがあると、そこから雨水が侵入し、コンクリートや鉄筋の劣化が進みます。
そのため、寿命が長いマンションを見極める際には、コンクリートクラックがないか確認してみるとよいでしょう。
また、コンクリート以外にも、建材や配管がどのように組み込まれているかなど、マンションの寿命には構造に関するさまざまな部分が影響しています。
立地条件

マンションの立地条件についても、寿命を決める際に非常に大きな影響を与えます。
例えば、日当たりのよい立地であるかどうかという点は、マンションの寿命を大きく左右するポイントです。
日当たりの悪い立地にあるマンションの場合、どうしても湿気が溜まりやすくなってしまうことから、カビが発生しやすくなります。
カビが発生しやすくなれば、配管などの構造部分の腐食の原因となってしまい、マンション全体としての寿命を縮めることになりかねません。
マンションが潮風を直接受けると、コンクリートの表面から塩分が入り込んでしまい、鉄筋などの構造部分を早く劣化させてしまうことになる恐れがあるからです。
経年

マンションの寿命には、建築されてからどれぐらいの年月が経っているかという点も、当然大きく影響してきます。
マンションは、どんなにきちんと管理が行われていても、年月の経過とともに劣化していきます。
ただし、同じ経年のマンションであっても、管理の方法や構造、立地条件などによって、劣化するスピードは変わってきます。
そのため、一概に築年数だけで寿命を判断することはできませんが、築年を基に寿命を判断するということもありますので、頭に入れておきましょう。
経済的観点

マンションの寿命は、経済的観点によって判断される場合もあります。
例えば、実際にはまだ十分人が住めるような状態のマンションではあるものの、取り壊して新たな施設を建てたり、エリアごと再開発を行ったりしたほうが経済的なメリットが大きいと判断されるケースは少なくありません。
時代の流れや経済状況などの影響によりマンションの寿命が左右されるのは、決して珍しいことではありません。
寿命を迎えたマンションはどうなるのか

ここまで解説してきたように、マンションにはそれぞれ寿命があるため、永遠に住み続けられるものではありません。
- 【居住者負担で建て替え】
建て替えには所在不明な区分所有者を除き、議決権をもつ「5分の4以上」の賛成が必要 - 【ディベロッパーに売却】
その後新たなマンションや商業施設などが建築されるのが一般的 - 【解体し、土地を売却】
売却前にマンションを取り壊すため、居住者の引っ越しを先に済ませる必要 - 【そのまま住み続ける】
耐震性や老朽化による破損増加などの問題があるため、何らかの対策が必要
居住者負担で建て替える

マンションが寿命を迎えたとき、居住者負担で建て替えるといったケースがあります。
寿命を迎えたマンションを居住者負担で建て替えるためには、所在不明な区分所有者を除き、議決権をもつ「5分の4以上」の賛成が必要になります。
ただし、以下のような客観的事由がある場合、いずれかに該当すれば「4分の3以上」の賛成があれば建て替えが可能です。※1,2
- 耐震性が不足している場合
- 火災に対する安全性が不足している場合
- 外壁等の剥落により周辺に危害が生じる恐れがある場合
- 給排水管等の腐食等により著しい衛生上の有害が発生する恐れがある場合
- バリアフリー基準に不適合な場合
※基準詳細は要除却認定基準(改正前のマンション建替法第102条)と同様の内容となる予定
また、建物を一棟丸々リノベーション(建物の更新)をする場合も、建て替えと同等の多数決基準により工事を進めることが可能です。
改正前の旧区分所有法下では、寿命を迎えたからといって、必ずしも簡単に建て替えられるというわけではありませんでした。
旧区分所有法には、客観的事由がある場合の多数決要件の緩和策等がなく、また建て替えに必要な「5分の4以上」の賛成の中には所在不明な区分所有者も含まれていたため、そもそも建て替えの決議ができない、進まないという問題があったのです。
居住者負担でマンションを建て替えることに反対する人が全体の2割以上いた場合、建て替えるのは事実上不可能でした。
また、寿命を迎えたマンションを建て替える場合、1戸あたりの所有者負担額は数千万円にのぼるケースも珍しくありません。
実際に、現在はマンションの老朽化が進んでいるにも関わらず、マンション建て替えの実績は累計で297件(約24,000戸)ほどしかなく、建て替えが進んでいないのが実態です。※2024年4月1月現在
そこで、よりマンションの建て替えが円滑に進むよう、2025年5月に通常国会にて区分所有法の改正が可決・成立し、2026年4月1日より、一部を除き施行予定となりました。※3
また、団地など敷地内にいくつかの建物が存在する場合は、いずれかの棟で建て替えの反対が3分の1を超えない限りは一括建て替えができるようになりました。
一部の棟(建物)のみ建て替えを実施する場合は、建て替え対象の建物が、前述のいずれかの客観的事由に当てはまるとき、賛成割合が3分の2へ引き下げられ、以前よりも建て替え決議がしやすくなっています。
※出席者の多数決の決議によります。
マンションを巡り、建物と居住者の「2つの老い」が進行する現代において、適切な管理・再生が迅速に決定できることを目的になされたのが、2026年の区分所有法改正なのです。
ディベロッパーに売却される

寿命を迎えたマンションは、ディベロッパーに売却されることもあります。
寿命を迎えたマンションを買い取ったディベロッパーは、その後マンションを取り壊し、新たなマンションや商業施設などを建築するのが一般的です。
ディベロッパーへの売却には、建て替えと同様に所在不明な区分所有者を除く、議決権をもつ「5分の4以上」の賛成があれば可能となります。
また客観的事由がある場合、「4分の3以上」の賛成に緩和される点も建て替えと同様です。
この場合、マンションの居住者は、売却した際に生じた利益を全員で分け合って受け取り、それを使ってほかの場所へ引っ越すことになります。
マンションの取り壊し費用が差し引かれることで、居住者が受け取れる売却益は少なくなり、実際の転居費用として使うには足りないといった状況になることもあります。
旧区分所有法下では、こうした理由もあり、建物・敷地の一括売却を行うには、区分所有者全員の同意が必要であり、事実上困難でした。
2026年施行の区分所有法改正では、より一括売却や建物を取り壊した上での敷地売却がしやすいよう、各意思決定条件が緩和されています。
解体したうえで土地を売却する

寿命を迎えたマンションの中には、まず建物を解体し更地にしたうえで、土地として売却するといったケースもあります。
この場合も、建て替えと同様に所在不明な区分所有者を除く、議決権をもつ「5分の4以上」の賛成があれば可能、また客観的事由がある場合は「4分の3以上」の賛成に緩和されます。
この場合は、売却するよりも前にマンションを取り壊さなければならないため、マンションの居住者は先に引っ越しを済ませなければなりません。
居住者全員が引っ越しを済ませ、マンションを解体し、その後土地として売却できたときに初めて売却益が発生します。
発生した売却益は居住者に分配されることになりますが、実際に居住者が受け取ることのできる金額は、建物の解体費用を差し引いたあとの金額となるのが通常です。
そのため、ディベロッパーに売却するケースと同様、転居費用として十分な金額を受け取ることができない可能性もあり、反対意見が多くなることも考えられるでしょう。
そのまま住み続ける

寿命を迎えたマンションについて、建て替えや売却などを検討してみたものの、居住者の負担が大きくなることから実現に至らないケースも少なくありません。
そのような場合は、寿命を迎えた後も、そのまま住み続けるというケースも実際にあります。
特に、マンションの居住者の多くが高齢である場合は、新たな転居先を探して引っ越すことに抵抗がある人が多い場合も多く、マンションが寿命を迎えていると知りながらもそのまま住み続けるという選択肢を選ぶことに繋がっています。
耐震性に問題があったり、老朽化が進むことで破損箇所が増えていたりすることも考えられるので、何らかの対策が必要といえるでしょう。
寿命の長いマンションを見つける方法

- 【新築マンションの場合】
「住宅性能表示」を確認する - 【中古マンションの場合】
「安心R住宅マーク」を確認する - 【マンションの寿命に関わる要素】
マンションの寿命の長さと資産価値は比例する
マンションを探している最中の人や、今後マンションの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
新築マンション向け:「住宅性能表示」を確認

新築マンションをはじめとした新築住宅全般には、「住宅性能表示」というものが定められています。
これは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく制度で、住宅の安全性や快適性などについて10個の項目で表すことになっています。
そのため、新築マンションの購入を検討する場合は、この「住宅性能表示」を確認することで、寿命が長く安心して住むことができるマンションを見つけることができるかもしれません。
「住宅性能表示」には、以下の10個の項目が設けられています。
- 構造の安定に関すること
- 火災時の安全に関すること
- 劣化の軽減に関すること
- 維持管理・更新への配慮に関すること
- 温熱環境・エネルギー消費量に関すること
- 空気環境に関すること
- 光・視環境に関すること
- 音環境に関すること
- 高齢者等への配慮に関すること
- 防犯に関すること
上記10個の項目について、対象となるマンションがそれぞれどの程度のレベルであるか、等級や数値で確認することができます。
これらの項目を見てみると、先述した「マンションの寿命が決まる要素とは」の内容と大きく関連していることがわかります。
中古マンション向け:「安心R住宅マーク」を確認

中古マンションを探している場合は、「安心R住宅マーク」を確認することで、寿命の長いマンションを見つけやすくなるでしょう。
「安心R住宅マーク」とは、十分な耐震性が備わっていて、リフォームの実施内容や建物の点検記録などについての情報提供が確実に行われている中古住宅のみに与えられるマークです。
「安心R住宅マーク」は、中古住宅に対するマイナスなイメージを払拭し、購入を検討している人が安心して決断できるようにすることを目的として導入された制度です。
ただし、「安心Rマーク」はまだそこまで普及していないため、こちらの物件限定で探すということは現実的ではない状況と言えます。
また、「中古マンション or 新築マンション」どちらにするか悩んでいる方に向けて、実際に購入した方々による【比較口コミ一覧】でリアルな口コミを見ることができます。
先述した「マンションの寿命が決まる要素とは」の内容を確認

先述した「マンションの寿命が決まる要素とは」の内容と寿命が大きく関連してきますので、こちらの要素を確認しましょう。
具体的には、下記の項目をチェックすると良いでしょう。
- 耐震性(大きくは「旧耐震基準」か「新耐震基準」か)
- 長期修繕計画がしっかり計画されているか
- 過去の修繕履歴を見て、適切な修繕がされてきているか
- 今後の修繕に必要なくらいの修繕積立金が貯まっているか
- 外壁にクラック(ひび割れ)はないか
- 湿度が高い立地ではないか
- 塩害の恐れのある立地ではないか
また、寿命の長さと資産価値は比例します。
都心などの一等地にあるマンションや築年数の浅いマンションは相対的に資産価値が高くなります。
また、修繕積立金が十分にある物件や容積率が余っている物件についても資産価値に影響します。
マンションレビューでは、購入検討中、売却検討中のマンションの資産価値や適正相場に関する推測を行うことができます。
また、全国のマンション偏差値ランキングでは、人気のマンションを、マンション偏差値順、アクセス数順、書き込み数順に、ランキング形式で確認することもできます。
各エリアでの、資産価値の高いマンションや人気マンションがランクインしているため、寿命の長いマンションを見つけやすくなっています。
資産価値の重要性や資産価値が高いマンションを選ぶポイントについては下記の記事でも詳しく解説しています。
まとめ

マンションの購入を検討する人にとって、マンションの寿命がどれくらいかというのは、非常に気になるポイントですよね。
しかし、マンションの寿命には明確な定めがあるわけではなく、一括りに示すことはできません。
マンションの寿命は、耐震性、管理状態、構造、立地条件など、さまざまな要素が合わさって決まるものです。
そのため、本記事で解説した「マンションの寿命が決まる要素とは」を総合的に見て判断されるものと理解しておきましょう。
また、寿命の長いマンションを見つけるためには「住宅性能表示」や「安心R住宅マーク」を確認したり、マンションの資産価値について理解を深めたりすることがとても大切です。
探しているマンションが、新築なのか中古なのかによっても、確認すべき内容が異なるので、自分にあった方法で見つけていきましょう。
この記事の結論・まとめはこちら
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