この記事で学べること・ポイント
- 地震保険の加入率や補償対象などの基礎知識
- 火災保険とダブルで加入しておきたい理由
- マンションの地震保険が補償してくれる範囲
- 賢い地震保険の選び方
- 地震保険の控除の受け方、注意点

A.地震保険の補償対象は、以下のような状況で破損・倒壊・噴出した居住用の建物と家財となる。
- 火災(隣家からのもらい火なども含む)
- 落雷、破裂、爆発
- 暴風、雪、ひょうなど天候による災害
- 水濡れ(上階からの漏水などによる)
- 盗難(建物付属設備や家財)
ただし、以下に関しては補償対象外となる。
- オフィスとして使っている建物やオフィス内の備品など、事業目的のもの
- 門・塀・車庫・庭木など(住居用の建物でも)
- 骨董品や美術品などで、一個あるいは一組の評価額が30万円以上のもの
- 有価証券
なお、火災保険では、地震・噴火、およびそれによる津波でおきた被害はカバーされない。
A.マンションの場合は専有部分と共用部分、それぞれで保険に加入することになり、補償範囲が異なる。
- 共用部分に関しては管理組合が地震保険に加入し、補償範囲には以下が含まれる。
(躯体部分、エレベーター、階段、廊下、貯水タンク、エントランス、外壁など) - 専有部分に関しては個人が地震保険に加入し、補償範囲には以下が含まれる。
(専有部内の内装や設備、家財など) - 賃貸の場合は、建物自体の地震保険にはオーナーが加入し、住戸の中にある家財については入所者が加入する地震保険(契約する火災保険に付帯する形)によって補償される。
A.地震保険は、自分の経済状況や住んでいる地域の地震リスクを考慮して、以下を基準に選ぶべき。
- 保険料がいくらかかるのか
- 実際の災害時にいくら支払われるのか
地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険とセットで加入することになる。
なお、地震保険の保険金額は、火災保険の30%~50%の範囲で設定する決まりとなっておおり、損害の程度によって、支払われる保険金額が異なる。
それぞれの損害の度合いは以下の通り。
| 段階 | 損害の度合い |
|---|---|
| 全損 | 建物の主要構造部(基礎、柱、壁、屋根など)の損害額が、再調達価格の50%以上の場合 |
| 大半損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の40%以上50%未満の場合 |
| 小半損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の20%以上40%未満の場合 |
| 一部損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の20%未満の場合 |
A.地震保険の控除は、保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」を年末調整もしくは確定申告の際に提出して、申告をすると受けられる。
控除額は以下の通り。
- 所得税(国税)
…支払った年間の地震保険料のうち 最大50,000円。
※実際に支払った額が50,000円以下の場合はその金額 - 住民税(地方税)
…支払った年間の地震保険料のうち 最大25,000円。
A.地震保険の保険金を請求する際は、被害状況を保険会社へ報告して申請する。また、以下の必要書類を提出する。
- 保険証券
- 保険金請求書
- 被害状況を証明する書類
- 本人確認書類
なお、建物の外に置いていたものや、住居用以外の建物の被害、また地震以外の火災(放火、失火など)に関しては地震保険の補償対象外となる。

日本は過去に複数の大震災を経験してきた、地震大国です。
将来的にも南海トラフ巨大地震や首都直下地震など大規模な地震の発生が予想されており、いつ自分の住む地域で大きな災害が起きてもおかしくはありません。
「分譲マンションは戸建てよりも地震被害が少ない」と考える方もいるかもしれませんが、過去の災害では複数の被災事例が報告されています。
分譲マンションの所有者が入っておきたい地震保険について、詳しく解説します。
マンションにおける地震保険の基礎知識

簡単に言えば、地震保険は、地震やそれに伴う津波等による建物や家財の被害を一定金額補償してくれる制度です。
地震保険が必要だと言われても、内容を知らないと、重要性がピンと来ない方も多いと思います。
- 【地震保険とは】
地震保険は、地震、噴火、津波などで発生した建物、家財の損害を補償する保険 - 【地震保険と火災保険の違い】
火災保険では、地震による火事は補償されない - 【地震保険誕生のきっかけ】
1964年に発生した新潟地震 - 【地震保険の加入率】
全国平均で約7割程度 - 【注意点】
地震保険の補償の対象となるのは居住用の建物と家財のみ
地震保険とは?
地震保険は地震や噴火、およびそれらによって起こった津波などが直接の原因となって建物や家財に発生した損害を補償する保険です。
損害の内容は、火災、損壊、埋没、流失などが想定されています。
地震保険の目的は、被災後の生活再建を支援することです。
支給される補償金は住宅の修繕や損害を受けた家財の買い替えなどに使うことができます。
地震保険と火災保険はどう違う?
火災保険は、火事による損害を含め住居における偶然の事故を幅広く補償する保険です。
主に補償される対象は、下記のようなものです。
- 火災(隣家からのもらい火なども含む)
- 落雷、破裂、爆発
- 暴風、雪、ひょうなど天候による災害
- 水濡れ(上階からの漏水などによる)
- 盗難(建物付属設備や家財)
重要なのは、火災保険では、地震・噴火、およびそれによる津波でおきた被害はカバーされないという点です。
地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険とセットで加入することになります。
設定できる保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内です。
なぜ地震保険ができたの?
地震保険は地震被害にあった人の生活を安定させることを目的とし、1966年に制定されました。
きっかけとなったのが、1964年に発生した新潟地震です。
従来、災害時の助けとなる存在として火災保険が存在していましたが、ひとつ前の項目でも解説したとおり、火災保険の補償対象に地震や噴火、津波による被害は入っていません。
理由としては、大規模な地震が発生した場合、広範囲に被害が及ぶため、民間の損害保険会社だけでは多額の保険金をまかなうことが難しいからです。
そこで、民間企業と政府が補償の負担をわけあう、官民共同の保険として地震保険制度が作られました。
政府広報オンライン:被災後の生活再建を助けるために。もしものときの備え「地震保険」を
地震保険の加入率
地震保険の加入率は、地域や建物の種類、個人の防災意識などによって異なります。
一般的に、地震のリスクが高い地域ほど加入率が高く、耐震性の高い建物ほど加入率が低い傾向にあります。
全国平均の加入率は、約7割程度と言われています。
しかし、首都圏や南海トラフ地震の発生が懸念される地域では、加入率が8割を超えることもあります。
一方、地震のリスクが低い地域では、加入率が5割を下回ることもあります。
鉄筋コンクリート造のマンションは木造の戸建て住宅に比べて耐震性が高く、建物躯体等の共用部分は管理組合として、地震保険に入っていることが多いため、専有部の補償である個人での加入を見送る人も多くいます。
- 震度5強程度の中規模地震:建物の構造に損害が生じないこと。
- 震度6強~7程度の大規模地震:建物が倒壊・崩壊しないこと。
ちなみに近年は、地震保険の加入率は増加傾向にあります。
南海トラフ巨大地震や首都直下型地震の発生率が高く予想されていることもあり、人々の防災意識が高まったためと考えられます。
財務省:地震保険の加⼊促進について
損害保険料率算出機構:地震保険の契約件数・世帯加入率・付帯率の推移
損害保険料率算出機構:グラフで見る!地震保険統計速報
注意点:補償対象は建物と家財の損害。対象外となるものは?
地震保険は目的が生活の再建であることから、補償の対象となるのは居住用の建物と家財のみとなります。
オフィスとして使っている建物やオフィス内の備品など、事業目的のものは対象外です。
また、住居用の建物であっても門・塀・車庫・庭木なども対象外となります。
- 骨董品や美術品などで、一個あるいは一組の評価額が30万円以上のもの
- 有価証券
マンションにおける地震保険の補償範囲

前提として、マンションの場合は専有部分と共用部分、それぞれで保険に加入することになります。
専有部分はそれぞれの区分所有者が個別に保険を契約し、共用部分は管理組合単位で契約することが一般的です。
共用部分:マンション管理組合
マンションにおける共用部分と専有部分は、各マンションの管理規約により異なりますが、ここでは一般的な区分を例として解説します。
地震保険の補償範囲に含まれる共用部分は、一般的に下記のような専有部以外の箇所となります。
- 躯体部分
- エレベーター
- 階段
- 廊下
- 貯水タンク
- エントランス
- 外壁
など
これらの箇所を補償するための地震保険には、管理組合が一括で加入するのが一般的です。
地震による損害を受けた場合は、管理組合が保険金を受け取り、修繕費用に充てます。
区分所有者全体の共有財産である共用部分を維持管理することは、管理組合の重要な役割です。
管理組合は、自分たちのマンションにとって適切な保険を選ぶため、よく補償の内容を比較検討するのがよいでしょう。
マンションの管理組合の役割とその重要性については、下記の不動産インフルエンサーを紹介する記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
専有部分:個人の地震保険
各住戸となる専有部分の地震保険は、区分所有者が個別に加入します。
補償対象となるのは専有部内の内装や設備、家財などです。
専有部分の地震への備えは、区分所有者の責任となります。
もし大地震にあって部屋の中の設備や家財が損害を受けたとしても、地震保険に加入しておけば、修繕のための保険金を受け取ることができます。
賃貸の場合:入居者の地震保険
賃貸マンションの入居者も、地震保険に加入することができ、契約する家財保険(火災保険)に付帯する形での加入となります。
補償対象となるのは、住戸の中にある家財です。
建物自体の地震保険にはオーナーが加入します。
通常、賃貸契約を結ぶときには火災保険に加入するので、その際に地震保険を付帯するかどうかを選べます。
保険に加入するときは、家財の評価額を正確に把握し、適切な保険金額を設定するようにしましょう。
地震保険の選び方とポイント

地震保険は、「保険料がいくらかかるのか」「実際の災害時にいくら支払われるのか」を基準に、自分の経済状況や住んでいる地域の地震リスクを考慮して、慎重に判断することが大切です。
- 【地震保険加入の条件】
火災保険とのセットで加入する必要がある - 【地震保険の保険金額】
火災保険の30%~50%の範囲内で設定 - 【支払われる保険金額】
損害の程度に応じて支払われる(損害認定基準) - 【長期契約のメリットデメリット】
一年契約か長期一括契約かを選べる
火災保険とのセットで加入する必要がある
まず前提として、地震保険には単独で加入することはできません。
必ず火災保険とセットで加入する必要があるため、まずは火災保険の内容をしっかり検討しましょう。
保険料や補償内容は、保険会社によって異なる場合があります。
保険会社を選ぶ際は、複数の会社から見積もりをとって比較検討するのがよいでしょう。
保険は生活のインフラとして加入するものなので、支払負担を抑えることも大切な観点です。
保険料の安い中小の保険会社もぜひ検討の候補に入れましょう。
ただし、信頼性や保険金の支払い実績の確認は必須です。
保険金額は、火災保険の30%~50%の範囲内で設定
地震保険の保険金額は、火災保険の30%~50%の範囲で設定する決まりになっています。
たとえば、下記の保険金額の設定で火災保険に加入している場合、設定できる地震保険の範囲は下記のようになります。
【火災保険の金額設定】
- 建物部分:3,000万円
- 家財部分:500万円
【地震保険の補償範囲】
- 建物部分:3,000万円×30%~50%=900万円~1,500万円
- 家財部分:500万円×30%~50%=150万円~250万円
保険金額の設定が高ければ、それだけ支払う保険料も高くなります。
保険金額を設定する際は、建物の再調達価格や家財の評価額が参考になります。

保険金額が低すぎると、万が一のとき、充分な補償を得られない可能性があります。
なお、火災保険と地震保険の保険金額は必ずしも同額にしなくてはいけないわけではありません。
保険金は、損害の程度に応じて支払われる(損害認定基準)
地震保険においては、発生した損害のレベルを損害認定基準という言葉であらわします。
損害認定基準は、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に分かれており、損害の程度によって、支払われる保険金額が異なります。
それぞれの損害の度合いは以下の通りです。
| 段階 | 損害の度合い |
|---|---|
| 全損 | 建物の主要構造部(基礎、柱、壁、屋根など)の損害額が、再調達価格の50%以上の場合 |
| 大半損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の40%以上50%未満の場合 |
| 小半損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の20%以上40%未満の場合 |
| 一部損 | 建物の主要構造部の損害額が、再調達価格の20%未満の場合 |
なお、上記は一般的な基準であり、詳細な設定は保険会社により異なる場合もあります。
どの損害認定基準に該当するかの判断は、保険会社が派遣する鑑定人が行います。
損害認定の結果に納得できない場合は、保険会社に異議申し立てをすることもできます。
日本損害保険協会:地震保険 損害の認定基準について
内閣府防災担当:災害に係る住家の被害認定基準運用指針令和6年5月
財務省:地震保険制度の概要「保険金の支払」
長期契約のメリットとデメリット
地震保険は火災保険とセットで、1年契約をするか、もしくは長期の一括契約をするかが選べます。
長期の一括契約をする場合の期間は最長5年で、契約時に5年分の保険料をまとめて支払うことになります。
- 割引が適用される
2年以上の期間での一括契約の場合、契約する年数に応じて保険料の割引を受けられます。 - 更新の手間がかからない
契約を毎年更新する必要がないため、手間を省けます。引っ越しの際の手続きなどが楽です。
- 一括払いの場合の支払い負担が大きい
2〜5年の保険料を一括で支払うことになるため、割引率も大きくなるが、一度に支払う金額も大きくなります。 - 保険の見直しをする機会が減る
短期契約よりも更新頻度が少ないため、保険内容の見直しをする機会が減ってしまいます。 - 保険料率が改定されても即座に反映されない
大地震が発生した場合など、政府や保険料率算出機構が料率を見直す場合があります。
長期契約のメリットとして、2年以上の期間での一括契約であれば一定の保険料の割引を受けられます。
また、途中で解約をしたとしても、残りの契約期間に応じて保険料の返金はされます。
デメリットとしては、もし料率がお得に変更となったとしても、新しい料率が適用されるのは次回更新からであるため、途中で契約内容を変えることはできません。
ただし、反対に考えれば、途中で値上げされた場合でも影響を受けないため、メリットであるとも考えられます。
地震保険料は控除を受けられる?

地震保険に加入することで、税制上のメリットを受けられる可能性があります。
- 【地震保険料の控除額】
所得税から最大5万円、住民税から最大2万5千円 - 【申告のポイント】
年末調整もしくは確定申告が必須
こちらでは地震保険料による控除について解説します。
地震保険料は控除が受けられる
火災保険の中にふくまれる地震保険料分は、地震保険料控除の対象となります。
控除額は下記となっています。
- 所得税(国税)
…支払った年間の地震保険料のうち 最大50,000円
※実際に支払った額が50,000円以下の場合はその金額 - 住民税(地方税)
…支払った年間の地震保険料のうち 最大25,000円
国税庁:No.1145 地震保険料控除
申告のポイントと注意点
控除を受けるためには、保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」を年末調整もしくは確定申告の際に提出して、申告をする必要があります。
なお、地震保険料控除は、地震保険のみが対象です。
地震保険の付帯していない単独の火災保険料分は控除の対象外となるため注意しましょう。
保険金をもらうためにはどうしたらいい?

地震保険の保険金の受取りには、被害状況を証明するために複数の書類の手続き・申請が必要となります。
- 【保険金請求の手続き】
保険会社へ被害状況と必要書類の提出が必要 - 【保険金が支払われないケース】
地震保険の対象外の損害の場合など
ここでは地震保険の保険金を請求するために必要な準備や流れを解説します。
また、中には保険金が支払われないケースもあるため、こちらも確認しておきましょう。
保険金請求の手続き:必要書類と流れ
地震保険の保険金を請求する際は、一般的に下記のような書類が必要となります。
- 保険証券
- 保険金請求書
- 被害状況を証明する書類
- 本人確認書類
- 被害を受けたあと、できるだけすみやかに契約している保険会社もしくは代理店へ連絡する。
- 被害状況を保険会社へ報告して申請。必要書類を提出する。
- 保険会社の鑑定人が現地を訪れ、被害状況を調査する。
- 調査の結果、損害認定されれば保険料が支払われる。
地震保険の保険金請求は、地震発生から3年以内に行う必要があります。
被害を受けた場合は保険金請求に必要な書類を準備し、速やかに保険会社に請求しましょう。
保険金が支払われないケースはある?
地震保険では免責事項といって、保険金が支払われないケースもあります。
①地震保険の対象外の損害の場合
- 建物の外に置いていたもの(庭の物置、外置きの家電など)
- 地震以外の火災(放火、失火など)
- 住居用以外の建物の被害
- 骨董品や美術品で価額が30万円を超えるもの
- 地震による液状化で地盤沈下した土地(建物は対象でも土地自体は対象外)
などが該当します。
②戦争・内乱免責に該当する場合
日本国内ではイメージをしにくいかもしれませんが、たとえば戦争や内乱、暴動など、武力行使による被害は補償の対象外です。
③そもそも地震保険に未加入の場合
当然と思われるかもしれませんが、たとえば火災保険にだけ入っていて地震保険の付帯を忘れてしまっていたとき、地震による損害はカバーされません。
後付けができる場合は、早めの加入がおすすめです。
まとめ

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