この記事で学べること・ポイント
- 一般的な値引き相場はどのくらいか
- 値引き交渉のコツやポイント
中古マンション値引き交渉はできる!一般的な値引き相場はいくらくらい?
中古マンションを売り出される際は、最初に「売り出し価格」が設定されています。
不動産以外の商品のように「売出し価格=定価」で、価格交渉をすることは難しいのでは無いか?と考えている人が多いようです。
結論から言えば、中古マンションの価格は交渉次第では値引きすることが可能です。
更に言うと、不動産売買を行う際に値引き交渉を行うことは決して珍しいことではありません。
中古マンションの値引きができるわけ
大前提として、中古マンションを売り出しているのは、そのマンションの所有者である売主です。
売主は、自分の希望や事情に合わせて、所有している中古マンションの売出価格を自由に決めることができます。
不動産会社の査定金額を参考に、売主が「このくらいの価格で売却したい」と希望価格を不動産会社に伝え、市場価格と照らし合わせながら、売却開始時は、売却可能な価格の範囲内で、やや高めの金額に設定するのが一般的です。
最終的な価格決定権を持つのは不動産会社ではなく売主のため、「早く売りたい」などの 売主の事情を踏まえた、交渉の仕方によっては中古マンションの値引きができるようになります。
端数切り捨てが一般的
中古マンションの値引きでよくあるパターンは、10万単位の端数で値引きすることです。
実は、売主が中古マンションの売却価格を設定する際は、あらかじめ購入希望者から値引きされることを考えて、10万円単位の端数で金額を上乗せしていることが多いのです。
そのため、2,980万円や4,670万円など、10万単位の端数のある中途半端な金額で売り出されている物件がよく見られます。
値引き相場の限度は売り出し価格の5〜10%程度まで
実際に中古マンションの値引きができるとわかると
- どれくらいまで値引きをしていいのだろう?
- 値引き相場が知りたい
というニーズが出てくると思います。
一般的な値引きの相場概念としては「当初の売り出し価格の5〜10%くらいまで」が考えられます。
この数字は、不動産業界の監修や取引事例によるものですが、これを超えたあまりにも大きな値引きを求めると、不動産会社や売主に取引を断られる可能性が出てきてしまいます。
売り出す側も市場価格を考慮しながら売り出し価格を決めているため、法外な金額を設定していないことがほとんどです。
相場よりも明らかに高い物件や、長期間売れ残っている物件、売主が売却を急いでいる場合は、10%以上くらい値引きしてくれる場合もあるので交渉する価値があります。
2.中古マンション値引き交渉のポイント
中古マンションを値引きするにはいくつかのポイントがあります。
ここでは、中古マンション値引き交渉のポイントについていくつかご紹介しましょう。
住宅ローン事前審査を通過しておく
一般的に、中古マンションを購入する権利は購入申込書(買付証明書)を提出した順から発生します。
申込んだ時点ではまだ契約は成立していませんが、購入する意思を書面で証明します。
売主が買主を選ぶ際には、購入申込書を提出した人の中から、「希望価格で売却できる」「代金をきちんと払える」などの要素で判断されるケースが少なくありません。
事前審査を通っていれば本審査を通過できる可能性が高いため、売主にとっては信頼できる取引相手として認識されるので、価格交渉もしやすくなります。
中古マンションの値引きの希望を出すのは、購入申込書(買付証明書)を提出するタイミングになります。
なお、値引きのことだけを考えすぎて、住宅ローンサービスの選定に関して、あまり考えたり調べたりせずに、不動産会社の勧められるままにローンを提携してしまい後悔してしまうケースもあります。
最近はネット銀行の金利も非常に安くなっているので、是非購入の際は各行の金利をチェックして最適な金融機関から住宅ローンの借入をしましょう。
周辺相場を把握
値引き交渉をする際には、買主自身も中古マンションの周辺相場を把握しておくことが必要です。
事前に相場を知っておかないと売主から「大幅に値下げしました! 」と言われても、実際に相場よりも安い価格かどうかが分かりません。
ざっくりと自分自身でイメージした周辺相場と、実際の相場では大きな乖離がありびっくりすることも多々あります。
一例として、東京都板橋区で現在販売されている、ある中古マンションの相場は、以下の表のようになります。
マンションレビューでは、各マンション毎に「相場売買情報」や「適正価格診断」を把握できるコンテンツを公開しております。中古マンションの価格が割安か割高かを知りたい人は、以下のリンクからご確認ください!
また、物件の適正価格についてマンガで分かりやすく解説するコンテンツも公開しております。
大幅すぎる値引きはNG
先述したとおり、一般的は値引き相場の限度額は売り出し価格の5〜10%です。
いくら安く買いたいからと言っても、10%以上の大幅な値引きを全く勝算がないのに求めるのは避けた方が無難です。
売主としては少しでも高い金額で売りたいため、複数の申し込みがあった場合、金額の高い購入希望者を当然優先します。
信頼できる不動産会社を探す
値引き交渉は不動産仲介会社が行うため、中古マンション売買の取引実績が豊富で、力のある会社を選んだ方が成功する可能性が高いと考えられます。
不動産会社と言っても、実にさまざまな会社が存在し、同じ売買仲介でも「マンション販売の実績が多い」「戸建てに強みがある」「ワンルームマンションが得意」など、得意とするジャンルに違いがあります。
不動産は高額な金額がやり取りされるため、実績があり、誠実で信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
実際に自分では考えられない住替えプランや物件を提案してくれたり、当初は無理だと思っていた物件購入を成功させてくれたり、熱意と実力のある営業マンは頼りになります。
値引き交渉への熱意・理由を示す
希望する中古マンションの売出価格が、予算オーバーしているケースがあるかもしれません。
物件を気に入って購入意欲があるときは、売主に対して希望金額での物件購入値引き交渉への熱意や理由を示しましょう。
例えば、以下のような交渉の仕方があります。
- 気に入っている物件だが、自己資金が少なく頭金も多く出せない
- 価格以外の引き渡し時期等の希望は売主様に合わせる
- リフォーム費用分を値下げして欲しい
- 値引きが可能で予算に収まるのであれば購入したいと考えている
物件の売り出し価格は最終的に売主が決めるものです。
値引きが可能ならば購入したい旨をきちんと示すことにより、売主が値引きしてくれる可能性が高まります。
3.値引き交渉が成功しやすい物件の傾向とタイミング
売主に値引きを持ちかけても全ての物件で成功するわけではありません。
そのため、売主の立場に立ってみることも、値引き交渉においては大事なポイントです。
購入希望者のいない物件
値引きをする最良のタイミングは、他に購入希望者がいないときです。
具体的には、売り出してから3ヶ月以上経っても売れていない物件は、現在の条件のままでは購入希望者がすぐに現れる可能性が低いといえます。
周辺物件の相場を把握し、落とし所となりそうな金額を予測したうえで、少し多めの値引き金額を売主に提示しましょう。
物件がなかなか売れない場合は売主も焦っている場合が多いので、提示した金額より少し高い金額まで値引きしてくれることもあります。
公益財団法人東日本不動産流通機構の資料によると、首都圏における2020年の中古マンションの売却にかかる期間は88.3日となりました。約3ヶ月が平均期間です。
首都圏でも3ヶ月ほどなので、地方ではさらに長期化することも考えられます。
売り出し期間が長くなると売主の心理としては焦るので、値引きを申し込むと上手くいく可能性が高くなります。
とはいえ、あまりにも大幅な値下げは禁物です。
すでに値下げをしている場合もあるので、まずは不動産会社に売却物件の「売主の売却動機」「販売期間」、「値下げ履歴」「他の購入希望者がいるか」という状況を確認して、適切な値引き価格を提示しましょう。
売主に買い替え、引越しや離婚などの事情があるとき
売却完了までの期間が限られている事情で売りに出された物件は値引きできる可能性が高くなります。
例えば、「買い替え」「転勤」「離婚」などの理由です。
など、購入検討者と同じ様に、売主にもマンションや物件を売却を検討する深刻な理由があります。
買い替えで新しい家を購入したものの、マンションローンの残債がある場合は、二重ローンに陥ってしまうケースがあります。
このように、売主側に特殊な事情がある場合は、少しでも早く買主を見つけたいため、値引きに応じてくれる可能性があります。
購入後のリフォーム費用がかかりそうな物件
建物内に欠陥がある、もしくは老朽化が進んでいるなど物件の状態が悪い場合は、値引きできる可能性が高いといえます。
購入後のリフォーム費用がかかることを理由にできるからです。
ただ、売主によってはリフォーム費用をあらかじめ値引きして売出価格を割安に設定している場合もあります。
値引き交渉するときは物件の内部状況を確認し、築年数や間取り、立地などが似たような条件の物件価格をリサーチしてから値引き価格を提示しましょう。
4.値引き交渉の具体的な流れ・必要事項
中古マンションの値引きをするには一連の流れがあります。
ここでは、値引き交渉の具体的な流れや必要事項について解説します。
-
STEP1事前調査信頼できる不動産会社に、購入検討物件の「売主の売却動機」「販売期間」「値下げ履歴」「他の購入希望者がいるか」「周辺相場」を確認
-
STEP2住宅ローンの事前審査売主に取引できる相手だと信頼してもらえるように、住宅ローンの事前審査通過
※必須
※実際の取引では、住宅ローンの事前審査と値引き交渉を同時に行うことも多くあります。 -
STEP3値引き交渉の申し出仲介をしている不動産会社に値引きの希望を伝える
-
STEP4買付証明書(購入申込書) の提出購入の意志を売主に伝え、買付証明書と一緒に具体的な値引きの内容を提示
-
STEP5契約内容合意売主が値引きに応じてくれて、契約内容に合意
-
STEP6売買契約を締結合意した内容で売買契約を結び、物件の手付金を支払う
-
STEP7決済・物件の引渡し不動産会社の担当者、司法書士の立ち会いのもと物件の残金の支払いと引き渡しを行う
①事前調査
最初に購入したい中古マンションについて事前調査を行います。
以下の点についてしっかりと調べましょう!
- 売却動機(買い替え、離婚、転勤等)
- 販売期間
- 値下げ履歴
- 他の購入希望者がいるか
- 周辺の中古マンションの相場
買主自身が周辺の中古マンションの相場を知っておくことも肝心です。
また売主側の事情も知りたいポイントです。
不動産会社の担当者に聞ける範囲で良いので確認しましょう。
さらに、満足のいく取引を実現するためには信頼できる不動産会社を選ぶことも必要です。
②住宅ローンの事前審査
値引き交渉を成功させるには、売主の目から見て「取引可能な買主」であることがポイントです。
したがって、住宅ローンの事前審査を通過しておきましょう。
ただし、実際の取引の現場では、住宅ローンの事前審査をする前に、気に入った物件に出会うこともあるため、値引き交渉と同時に事前審査を申し込むというケースも多くあります。
住宅ローンの事前審査では年収やローンの利用状況が確認され、希望借入金や返済期間など、申込人の返済能力や信用力が審査されます。
事前審査には通過済みであると言えば、売主が取引相手として真剣に考えてくれる可能性が高まります。
③値引き交渉の申し出
いよいよ値引き交渉を申し出ます。
値引き交渉は、必ず仲介する不動産会社を通して行うものであり、買主側が勝手に行うことはNGです。
④買付証明書(購入申込書) の提出
希望金額(値下げした金額)を記載した買付証明書を売主に提出することにより、「値引きをしてくれたら購入します」という意思を具体的に示せます。
口頭で「5,000万円で購入します」と聞かされるよりも、正式な書面で提出した方が当然売主も真剣に検討してくれます。
また、買付証明書を出した順番で買主が決められるケースもあるため、購入する意思が確定したら早めに出すようにしましょう。
なお、買付証明書には法的な効力はありません。
しかし、正当な理由もなく一方的に契約をキャンセルした場合は、売主から損害賠償を請求される可能性があります。
⑤契約内容合意
買付証明書を提出したら、それに対する返事を売主から待ちます。
売主からの条件としては主に下記があります。
- 売買金額
- 引き渡し時期
- 手付金の額
- 引き渡し猶予の有無
- 瑕疵担保免責の有無
- その他特約事項
②引き渡し時期
「引き渡し時期」も価格と並ぶ重要な項目です。
「価格を値下げしてくれれば、引き渡し時期は売主の希望に合わせる」というのが、条件が纏まりやすい進め方です。
例えば空き部屋の物件であれば、売主としては、管理費、修繕積立金、固定資産税、住宅ローンの支払いを1日でも早く終わらせたいため、早く引き渡したいというケースが多いです。
また買い替えで、先に買い替え先を購入しているケースでは、買い替え先の引き渡しのタイミングと近いタイミングで引き渡したいというケースもあります。
③手付金の額
すぐにまとまった資金が欲しい売主の場合は、希望金額を言われる可能性があります。
④引き渡し猶予の有無
引き渡し猶予とは、「残金決済日と引き渡しを同日に行わず、引き渡すまでに猶予をもらうこと」です。
例えば、マンション売却の残金決済日が7月10日、引き渡し日が7月15日としましょう。
そうすれば、7月11日に購入物件の残金の支払いをして、7月12日に新居に引っ越しをして、7月15日に売却物件を引き渡すというスケジュールを立てることも可能になります。
⑤瑕疵担保免責の有無
瑕疵担保免責とは、「もし物件を引き渡した後に、物件に不具合があっても売主は責任を問われない」とする特約になります。
売主に有利な特約になるため、築年が経過した物件等で、こちらの特約を付ける代わりに価格を値引きするといった契約もあります。
⑥その他特約事項
売主と買主が合意した特約全般を指します。
例として、「買い替え特約」があります。
売主が買い替えの場合で、買いの契約が解除されたら、売りの契約も解除するといった内容です。
⑥売買契約を締結
契約条件に合意したら、売買契約を結びます。
そのため、値下げ交渉を含んだ条件に合意したら、可能な限り早めに契約することが重要です。
また、売買契約を締結する際に買主は売主に手付金を支払いますが、買主から契約解除を申し出る場合は手付金を放棄しなければなりません。
なお売主から契約解除申し出る場合は、手付金の倍の金額を買主に支払います。
⑦決済・物件の引渡し
不動産の売買契約を締結し、住宅ローンの手続きを終えると物件の決済を実行します。
決済日には不動産会社の担当者や司法書士が立ち会い、登記に必要な書類や情報を確認します。司法書士の確認後、残代金を支払い引き渡しを受ければ完了です。
書類の不足や情報が確認できない場合は決済できません。
5.値引き交渉ができないケースについて
売り出し価格が相場よりも低い価格
周辺の中古マンションより低い価格で売り出しているケースでは、値下げが厳しいと言えます。
元々値下げできるギリギリまで安くなっている場合は、値引きを求めても断られる可能性が高いでしょう。
ただ、その金額が限界かを見極めるのはとても難しいです。
同じ時期に販売されていた2つの建売住宅で、1棟を先に購入後、残った物件が値下げされて損をしてしまったというケースもあるので、正解はないのが難しいところです。
住み替え繁忙期
転居や転勤、進学のある春・秋は、不動産が活発に動く繁忙期です。
この時期は複数の購入検討者が購入申込をすることも増えるため、その場合は売主側が価格交渉に応じる必要がなく、値引きが難しいケースも出てきます。
反対に、7~8月は閑散期で不動産の動きが活発でなく、購入検討者が自分以外いない時、売主が譲歩してくれる可能性が高まります。
売りに出されたばかりの物件
売り出して間もない時期は、売主が値引きに応じることはほぼありません。
売主にしてみれば少しでも高い価格で物件を売りたいため、まだ高値で売れる可能性を追求したい心理があるからです。
特に築浅だったり、人気のエリアで比較的人気があるような物件では需要が強いため、交渉しにくいと言えます。
売主の住宅ローン残債がかなりある場合
売主の住宅ローンの残債が多いときも、値引き交渉できない可能性が高いでしょう。
物件が売れても売主は金融機関に残債を返済しなければならないため、どうしても住宅ローンを返せる価格で売る必要があるからです。
住宅ローンの残債を多く抱えていて、手持ちの現預金もない売主は、物件を売却しても住宅ローンを完済できないため、値引き交渉できる余地がないケースもあります。
6.成功した体験談
2022年で首都圏の中古マンションの平均価格は4,276万円まで上昇しています。※
値引き交渉はケースバイケースで、チャレンジしてみなくては結果がどうなるか分かりません。
不動産の価格は高額なため、場合によっては数百万円単位の値引きが実現できる可能性があります。
売主が売却を急いでいる場合は、不動産会社が売主の事情を考慮して、粘り強く交渉してもらえると希望の金額まで値引きしてもらえることもあります。
7.失敗した体験談
相場より安く買えたとしても、物件の内容や不動産会社の対応に問題がある場合もあります。
不動産は高額な買い物ですから、価格だけでなく気持ちの面でも納得のいく形で購入したいものです。
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中古マンションの値引き交渉をするときは事前にリサーチしておこう!
大事なのは、相場の把握と売主の事情を理解することですね。
また、値引きも大事ですが、物件自体に問題がないかも確認しなくてはなりません。
マンションなら管理面も含めて状態を確認してみることも重要です。
条件に合致する物件であるかを見極めてから値引き交渉や購入申し込みを行いましょう。
A.中古マンションの値引きは、10万単位の端数切り捨てが一般的。一般的な値引きの相場概念としては「当初の売り出し価格の5〜10%」くらいまで。
A.値引き交渉のポイントは以下。
- 住宅ローン事前審査を通過しておく
- 周辺相場を把握
- 大幅すぎる値引きはNG
- 信頼できる不動産会社を探す
- 値引き交渉への熱意・理由を示す
また、値引きを成功させるには、タイミング・売主の状況・物件の状態を見極めてから申し込むこともポイント。
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